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April 7, 2008.

君の名は / エーテル宇宙の彼方で


朝久し振りに自社へ戻った。客先での近況などを報告するのが主目的。こないだまで営業のリーダだった方が支店長になったので、その人と面談。前からお世話にはなっているが非常に温厚でいい人だ。自社において思うのは、本当に温厚な人ばかりだということ。多くの情報系企業にありがちな「優秀だけど神経質」なタイプが少ないように思う。そういう面では非常に好ましい会社だ。で、いろいろお話した結果、昇給した(正確には人事発令でクラスが上がった)との通知を頂いた。ずっと外にいて腐らないようにという配慮もあるかもしれないが、ここは素直に喜んでおこうと思う。後は4月末の給与で技術手当て等がどの程度向上しているか、そしてそれに対して恥ずかしくない働きができるかどうかだ。錆びた刀を磨いておかないと。

次のプロジェクトの話もようやく見え隠れ。以前導入したシステムを別の拠点にも導入する事に。小人数短期プロジェクトではあるが、普通に客先のPMと一緒に要件定義に参画できるようになった点はうれしい。一人で動かせてもらえるとなお良いのだが、神経が細い自分には今の方が楽ではある。若いうちに痛い目を見たほうが良いが、痛い目を見ず済むよう頑張るのも一つの形か。消極的な方向で無い解決を目指せばそれでよい。

 

昨晩からのネットの不通は昼過ぎに回復。しかしまた不通と化し、その後また回復。2度目の不通の前後でIP直打ちでしかアクセスできなかったものが、再びsdlsでアクセスできるようになったため、こちらで本当にFIXだろう。原因はDNSの反映の遅れらしい。直ってほっとしたが、昨晩から今日の午前にかけてのアクセスがごっそりと消えた。せっかく訪問してくれた方に非常に申し訳ない。自宅にミラーサーバを立てるのもありか。

DNSというのは一般人には余り知られていないがwebの仕組みの中でかなり重要な位置を占めるものだ。Domain Name Systemの略で、要はお名前検索システムである。とても大まかに捉えるとネット上のパソコンには全部番号が振られていると思ってよい。しかし人間はランダムな数字配列を暗記するのが得意ではない。そのため日本史などの勉強では「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」などと覚えたわけだ(ただ、鎌倉幕府設立年は研究が進んで変わったそうで...)。同様にDNSではwww.google.co.jpという人間が覚えやすい名前と、66.249.89.104のようなIPアドレスの関係を保存しておいて、人間が「www.google.co.jpにつなぎたい」とリクエストするとIPを参照してつなげるようにしているわけだ。で、この情報は頻繁に変わるので(家の引越しと同じで田中さんの住所は頻繁に変わる)、その情報をテキストデータとしてDNSサーバ間で交換し合って共有している。そのため、変更してすぐには新しい住所に届かないため、サーバの応答がなくなる事があるわけだ。

ちなみにこのDNSのお陰で、見た目は1箇所だけど、サーバの機械は10台など、並列化が可能となったりするわけで、非常に重要な機能である。「www.google.co.jpは別に分かりやすくない!」といわれがちだが、wwwはworld wide web、つまり「ネットのページにアクセスできるよ」というサーバ内の切り分けを意味し、googleが団体名、coはcorporationだから法人、jpは日本と分割して考えると非常に覚えやすい。ちなみにわれわれSE職の人間は、結構IPを直打ちする機会が多く、192.168.1.124がDBサーバで....のように、IPをかなりの数記憶している。むしろwww.google.co.jpのほうが長くて間違えやすい。自分は大学時代のサーバのIPもまだ覚えている。日本史の年号は4桁でも覚えられないのに非常に不思議だ。

 

帰りの電車で座れず、英語は断念。代わりに歌野晶午「葉桜の季節に君を思うこと」を読了。えっと、散々濡れ場がかけないだの、文体が嫌いだの言ってすみませんでした。似非ハードボイルドも今となっては微笑ましい。思い切り騙されたのだ。なるほどそういうことなら、このワザとらしいタイトルも、空回りの温泉ボイルドも許そう、という感じ。騙されるのが好きな人には非常にお勧め。

ただ、個人的には文体が気に入らなくて、速読モードに入ってしまい、その結果余計に騙されたと言う側面もあって、そこはちょっと不満かも。読了後の評価は一気に上がったけど、この快感を得るためにまたこの文体の本を一冊読む、と考えると、なかなか次の一冊に手が出ないのも事実なんだよなぁ。トリック以外の部分への比重が高いbaristaはやはりミステリ好きではないのだな。とりあえず書評を書こう。

 

夜、「トップをねらえ」の5話、6話を連続視聴。5話は4話までで果たしたスポ根パロディを一気に払拭し、徐々にSFが始まる。とはいえ、エーテル宇宙なんていうトンデモ設定をわざと採用している時点で、SFパロディなのだが。ただ、SFとはScience Fictionの略であるが、これは「科学小説」ではなく「空想科学小説」と意訳する。したがって、トンデモ設定であろうと、その世界で規定された科学法則に則った話なら、SFとして成り立つ。例えば筒井康隆は「光の速度が突然もの凄く遅くなったら」というSFコメディをやった事があるぐらいだ。エーテル宇宙と相対性理論などと言う一番相性の悪いものを両方支持するあたりが、パロディとしてのセンスの凄さなわけだが、説明が長くなるのでここでは触れない。ここでは2話で触れた、ウラシマ効果が物語の根幹を無し、笑いと爽快感だけだったトップに突然シリアスな人情劇が割り込む事となる。ギャグとシリアスが7:3で入り混じるのに泣きそうになる。ずるいよこの設定は。

5話から連続して始まる最終話。6話は白黒の似非シネスコ映像でつづられる。余りに馬鹿馬鹿しいシーンや、あくまでスーパーロボットを続けるガンバスター、庵野監督お得意のアンチアニメなど様々なネタで吹き出しそうになるが、きっちり泣かされる。そして、くだらないコネタで締められる。なんというか、この人の作品はいい意味で吉本新喜劇なのだよな。エンタティメントが、悲しかったり、感動するだけではいけないと考えているのではなかろうか。手塚治の火の鳥を読んだ時、それでも自分は永遠の命に魅力を感じた。でもトップ最終話を見たとき、愛する者、自分の知っている者すら誰もいない時間に生きるのは、死んでいるのと同じだと思った。これはもはや宗教に近い。今を生きられて幸福だと思う。

 

夜、アプリに若干の修正。公開用のページを必死で作成中。なんとしても4月中には公開するぞ。

 

 

【今日の進捗】

読書 : 歌野晶午「葉桜の季節に君を思うということ」読了

アプリ: イースターエッグ追加。html編集。


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