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March 14, 2008.

けいたいでんわをかいに (きつね風)


雨。しかし空気は暖かい。湿った空気を予想して玄関の扉を開けるも、鼻と喉に乾燥感を覚える。天気が悪くとも花粉は皆無ではないらしい。電車に乗り込むとマスクの集団。古いSFに登場する未来人は、みんなガスマスクのようなものを着用していた。子供心に厳しい環境や化学兵器対策だと思っていたが、実は全員花粉症だったのではあるまいか。そう考えると実に的確な未来予想図である。

 

本日は本当に作業0。周りの人が困っていた時に、質問掲示板程度に働いた程度。世の中の役に立っていないと言う焦燥感でイライラする。別にボランティア的意味ではなく単なる自己顕示である。あまり良い方に解釈してはいけない。ボランティアは苦手だ。たまにボランティアが体の一部になっている人がいて、そういうのを見ると頭が下がるが。

 

帰りに携帯電話を見に行くも、ソフトバンクのみ自由に触れる実機が存在しない。挙句の果てに、ソフトバンクショップにいって、電源の入る機会が無いか聞いた所、「明日発売なので」と言われる。「14日(今日)発売だと聞いたのですが」と聞き直したら、調べてきますと裏に下がり、「今日発売ですが、機械が明日にならないと入らないので」との返答。見た目もシャキっとしているし、店員としての物腰は完璧な男性だったが、当日発売の機種を知らない店員など存在意義を疑うぞ。電化製品店のショップ店員だってそれぐらい知っている。

ネット上で調べた情報によると、ホットモックは実機より動作が遅いらしい。実機販売前に準備しているため、実機とは異なるバージョンのものだと言うことか。ソフトウェア障害で1週間発売が延びたらしいし、本当にギリギリのスケジューリングなのだなと言う感想。もっと余裕のあるスケジューリングをすればよいのにとは思うが、無理な事は分かっている。同業者として。

 

 

【解像度の話3: 印刷物の解像度と画面解像度】

シリーズ物のため、2008/3/12の日記から順に読むことを推奨。

このあいだから解像度の話ばかりしているが、どれぐらい綺麗な画像なら人間は綺麗と思うのだろう。例えば、同じHD画質(1920 x 1080)であっても、24インチ程度なら精細に感じるが、200インチならドットが目立つためあまり綺麗に見えない。一方VGA(640 x 480)であっても3インチ程度しかない携帯電話の液晶は非常に精細に見える。同じドット数でもドットが小さければ精細に見えるわけだ。このような精細さの指標として、一般的にdpi (dot per inch)という単位をもちいる。

dpiとは1インチ当りに何ドットの点で描画を行うかと言う数値で、業務用レーザプリンタなどだと360dpi程度である。1インチは2.54cmだから、だいたい1mmに15個の点が打ってある状態だ。最新のインクジェットプリンタは9600dpi程度なので、1mmに380個の点が打てることになる。

 

さて、ある電子書籍のサイトによると、人間が通常距離で認識できる限度はだいたい175dpiだそうな。これは印刷解像度ではなく、液晶の画面解像度の話。1インチに175本の細い黒白の線を並べると、もはや人間の目では灰色と区別がつかないという判定基準らしい。では、今の最新スペックの携帯電話の液晶のdpiはどの程度なのだろうか?以下のように計算して見た。

本日発売の921SHを例にとる。液晶サイズは3.2インチ。ただしこれは斜めが3.2インチと言う意味(テレビ、パソコンの液晶も全てその基準で測定されている)。したがって、dpiを求めるためには斜めの解像度が必要となる。921SHの画面解像度は480×854なので、底辺^2 + 高さ^2 = 斜辺^2という三角関数で斜め解像度を求める。

斜辺^2 = 480^2 + 854^2

斜辺 = 979.65

つまり斜めの解像度は約980ドットということになる。これを3.2インチで割って、dpiを求めると、なんと、306dpi。アンチエイリアシング(斜めの線がぎざぎざに見えないよう、ぼかし等を入れたりする処理)済みの画像であれば、人間の目ではドットの境目が見分けられないほど精細、という事になる。事実VGAクラスの携帯の画面を見ると写真が貼ってあるのかと言うぐらい精細。いやはや凄い時代になったものだ(老人か?)。

 

とまぁ、306dpiを大いに褒めたわけだが、インクジェットプリンタの所有者は疑問に感じたのではないだろうか?360dpi程度の古いインクジェットプリントで印刷した写真は、お世辞にも綺麗とは言いがたい。携帯電話の306dpiの方が圧倒的に綺麗だ。ではどこに差があるのだろう?

 

一般的な普及価格のインクジェットプリンタは4色インクである。カラー印刷の際には黒インクを殆ど使わないため、実質3色で印刷表現を行なう。例えば紫を表現したければ、赤と青の点を交互に打つことで実現するわけだ。濃淡の違いは点の密度で表現する。一方携帯の液晶はかなりの色を表示することが出来る。例に挙げた921SHだと26万色だ。ただし、これを「26万÷3」倍の能力と決め付ける事は出来ない。

液晶の26万色も実はRGB(赤、緑、青)の三色組み合わせで実現している。RGBそれぞれを64階調ずつ変化させることで26万色を表現しているのだ。64階調と言うのは2の6乗である。同じ階調をプリンタで実現しようとすれば、「インクあり or 無し」の2パターンが6点必要となるわけだ。それが3色だから、18点あってようやく、携帯電話の1ドットと同じ色表現が出来ることとなる。

したがって、306dpiの携帯と同じ品質の表示を実現するためには、18倍の5508dpiが必要となるわけだ。つまり、我が家の2880dpiのプリンタでは、921SHの液晶に全然追いつけていないことになる。あくまでこの計算上はだが。昔、「200万画素のデジカメ写真は1600x1200だから、2880dpiなんてプリンタ使っても、プリンタの能力が発揮できないから無駄だ!」なんて言ってた馬鹿がいたが、全くの見当違いであることが分かる。一般的なデジカメ画像のデータは1ドットが1677万色なので、上記の差はさらに開くからだ。ちなみにその馬鹿というのは自分の事である。

 

ここまで読んで、「プリンタって大した事無いな」と思う人も多いだろう。そこで、別の観点の評価を行なってみよう。白黒で書類を印刷するシーンを仮定する。液晶で黒を表現する場合、RGBを3つとも0にし、黒を表現する。当然さきほど計算した306dpiそのままの能力で表示を行なう。一方プリンタは、別に18ドットの組み合わせを使わなければならないと言う縛りがあるわけでは無いので、黒インク単体を用いて、dpiそのままの精細さでの印刷が可能である。つまり、9600dpiのプリンタであれば液晶より約32倍も精細な表現が可能となる。

 

つまり、印刷対象の色合い、形状の複雑さなど様々な要素により、どちらの方が表現力が高いかが変化する事となる。プリンタが有利な例は白黒の文字の表現に顕著だ。携帯液晶の文字ははっきりドットが見えるが、最近のプリンタの出力結果は相当に滑らかだ。白黒に限らず、液晶の場合RGB三つが必ずセットで無ければならない、という縛りがあるため、平均的には、プリンタの方に軍配が上がる。一方プリンタが利用するインクの色との相性により、プリンタが圧倒的に不利になるような写真を作ることも可能だ。そこまで特殊な例でなくとも、画面で見たら綺麗な写真が印刷すると部分的に非常に汚くなることは良くある。

 

上記の話には人間の目の特性に依存する部分も多々あるが、今回は触れない。

 

 

【今日の進捗】

なし...


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