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June 8, 2007. Friday.

Eclipse

Eclipseとは、もはやデファクトスタンダードと言っても過言ではないほど多数の開発者に支持されているJava開発環境の事です。正確には「Java開発環境」ではないのですが、詳細については後述します。



Eclipseとは?

もともとはIBMが自社製品用に開発したIDEでした。IBMは他社製品との連携なども念頭に入れ、非常に柔軟な物となるようEclipseを設計しました。そして、Eclipseをオープンソース化し、誰もがプラグインを自由に開発できるようにしたのです。しかしながら、「開発したところで、IBMの手助けをすることになるだけ」とIBM色が強い事への反発が多く、敬遠されているのを見たIBMは、自ら非営利団体であるEclipse Foundationを発足し、Eclipseの全てをそこにゆだねました。以来、Eclipse市場は活発化し、多数の手によって開発が進んで現在に至ります。

ちなみにEclipseと言う名前は「日食」を意味します。太陽を意味するSunが開発した言語、Javaをラップし、楽に開発するツールという事で名付けられたと考えられます。Java関係だからと珈琲関係の名前のツールが多かった中、この発想は非常に素晴らしいセンスだと思います。ハンドルネームがbaristaの人が指摘すると滑稽ですが(笑)。


Eclipseの素晴らしい点.

Eclipseが認められた理由のひとつは動作が軽快なことです。それまでにもForte for JavaやJBuilder等のIDE環境は存在しましたが、pure javaで有ることが災いし、動作速度が遅いなどの理由で浸透せず、テキストエディタ + JDKで開発する人が多かったのが事実です。しかしEclipseはSwingやAWTを使わず、OSネイティブのラッパで構成されたSWTを作成して採用することで、軽快な動作とリッチな操作体験を提供したのです。

Eclipseは実は単なるJava開発環境ではありません。プラグインを追加することで様々な機能、様々な言語への対応が可能です。その徹底ぶりはすさまじく、Java開発機能自身もEclipseのプラグインという形で提供されています。他にもGUIベースで非常に使いやすいCVSクライアントなど、初期導入されているプラグインによりEclipseは非常にリッチなユーザ体験を実現しています。現在では多言語を扱うプラグインも開発されつつあり、Ruby On Railsなどへ対応したプラグインもあります。キーバインドもEmacs風に割り当てが可能だったりと、もはややりたいことは何でも出来る環境となりつつあります。

Eclipseの残念な点

しばしば指摘される点はGUIベースのフォーム編集機能を持たないことです。各種GUI編集プラグインは開発されつつありますが、王道と呼べる物は依然登場していません。一方、JBuilder等にはデフォルトでフォーム編集機能がついていますが、残念ながらGridbagLayout等には対応しておらず、setLayout(null)を呼び出しピクセル指定で構築するという、前時代的な物でした(baristaが試したバージョンは。今は違うのかも知れません)。しかし、仕事中にちょっとしたツールを作成する局面など、JBuilderレベルのGUI編集機能があるのと無いのでは大きな差があります。

今のところJavaがクライアント開発に使用されることは少なく、どちらかというとサーバサイドの開発に使用されることが多いため、あまりGUI編集機能にマンパワーが注がれていないように思います。フォーム編集機能が未熟なのはEclipseの欠点と言うよりはJava業界全体の風潮といえるでしょう。SwingとSingle Thread関係の仕様を熟慮していないと構築しがたいJava Swing GUIの実装も多少ハードルになっているのでしょうか。

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