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電気 vs ガス 暖房・給湯器具一覧 各性能の比較 建築方式の特徴 |
電気 vs ガス - エコ性能比較 「電気=クリーン」、「ガスを燃やす=非エコ」というイメージがありますが、今のところ、ややエコウィルの勝ちかも。とても判断は難しいのですが。 オール電化の不合理さ 発電はとても難しい技術です。細かい数値は年々変化するのでここには上げませんが、石油、ガスなどの燃料を燃やして熱から電気を産む効率は結構低い物です。電気は遠くから電線で運ぶ必要があるため、その過程で相当の量が無駄に消費されます。したがって我々の手元に届く電気は元の燃料に対し微々たる物です。 さて、そこまでして届けたにもかかわらず、オール電化の場合、その電気を使って熱をつくり調理やお湯を沸かします。まとめると以下のようになります。なんだか納得がいかない部分がありますね。 石油・ガス ⇒ 熱 ⇒ 電気 ⇒ (電線で消費) ⇒ 熱 ⇒ お湯や調理 一方ガスの場合、以下のように直接熱に変わるため、熱を作るだけなら随分効率がよいのです。 ガス ⇒ (ガス管を通しても消費されない) ⇒ 熱 ⇒ お湯や調理 エコキュートのジレンマ 上述の通り電気から熱を作るのは非効率なため、エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かします。したがって、空気が暖かいほど有利になります。ところが、床暖房などお湯が沢山必要なのは気温が低い冬なので、「お湯が欲しいときほどお湯を沸かす効率が悪い」というジレンマを抱えています。また、電気代が安い夜間は気温が低いため、「電気代が安い時間ほどお湯を沸かす効率が悪い」というジレンマも抱えていますが、こちらは環境ではなくお財布に効いて来る話。 貯められない電気 電気は貯めておけません。100作ったら、国民全員が10しか使わなくても、残りの90は捨てられます。「充電池があるじゃないか」という人がいますが、あれは電気で化学変化を起こし、化学変化で電気を取り出す装置。効率・コスト・寿命、全ての面において日本中の電気を貯めるのには利用不能です。 したがって、電気は「ピーク+安全度」を見越して常にかなり無駄に発電しています。夜間料金を安くしているのは、夜間の電気がめちゃくちゃ余っている為。 オール電化になるとガスを利用していた場面でも電気を使うことになり、ピーク電力量が増えることが予想されます。結果、より一層「無駄発電量」も増えることになり、環境への悪影響が懸念されます。 一方、ガスなら、100作ったガスを1日に100使っても、毎日1ずつ使っても100全部を使いきることができるので、「無駄に」悪影響を及ぼすことはないでしょう。影響が無いと言う意味ではありませんが。 ガスの限界 エコウィルの素晴らしさは、発電時の熱を給湯に用いることで、発電所で無駄になる熱を有効活用できること、自宅発電のおかげで伝送コストのかからない電気が利用できる点です。しかし、現在のガス発電エンジンにはまだまだ改良の余地があり、発電量に比べ熱が圧倒的に沢山できてしまいます。そのため、エコウィルで賄える電気は1kw程度。それ以上発電しようとすると、無駄にお湯ができてしまうため、特に夏には全く意味がありません。また、どうしても発電効率では発電所に追いつけないというジレンマも抱えています。 さらに悲しいことに、電気が貯めておけないと言う弱点は、エコウィルにも効いて来ます。寝るときに床暖房でお湯を沸かし、ついでに発電したところで、みんな寝ているので電気なんか使いません。エコウィルはあまった電気を湯沸しにまわしますが、その結果得られる効率は、1世代前のエコジョーズより低い物になってしまいます。 まとめ 「エコキュートのエコは『エコロジー』ではなく『エコノミー』だ」などと揶揄されることもある通り、エコキュートによるオール電化は、家庭内環境が綺麗になる一方、地球規模で考えると、イメージの割りにはエコではありません。一番の難点は「ピーク時間の利用料の増加」が懸念される点でしょう。 じゃあガスがよいのかというと、現状のエコウィルでは発熱のわりに発電効率は低く、まだまだ改良の余地があります。しかし、あえて優劣をつけるなら(どちらの味方をするつもりもありませんが)、若干エコウィルの方が上でしょう。あくまで、理想的な利用がなされた場合に、ですが。国から降りる助成金の額がエコウィルの方が高い点から見て、妥当な評価だと思います。 じゃぁ、個人としてどうするべきかというと、安い、あるいは便利な方を選べば良いと思います。エコに敏感な人で無い限り、現状の差ではそれほど重視すべき性能だとは思えません。ただし固定観念にとらわれないように、常に冷静な目で両者を比較する目を養いましょう。 また「非エコなエネルギーが安い」状況をつづけるような国は無能ですので、将来的には必ず「エコ=安い」時代になるはずです。やがて不利なほうは淘汰されていくでしょう。 Copyright 2009- barista. All rights reserved. |
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