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電気 vs ガス - お風呂性能比較

お風呂の性能に関してもガスの方が便利というイメージがありますが、正直なところ一長一短なようです。ここでは伝統的なガス給湯器や電気温水器ではなく、エコウィルとエコキュートを例にとって比較します。


タイミング

火力が上なので、「いつでも沸かせる」という点だけを考えるならガスのほうが上です。ただし、一般的な利用法で、温水式床暖房のことを考えないなら、エコキュートのほうが若干上です。

エコウィルは発電と湯沸しを同時に行うシステムです。したがってエコで安価にお湯が使えるのは、電気を使うタイミングと合っている場合だけです。エコウィルは電気の使用量を記録し、効率の良い時間にお湯を沸かしはじめたりという学習をするようですが、予想外の時間にお風呂に入ろうとすると、ただのガス給湯器と化してしまいます。一方、エコキュートは深夜に沸かしたお湯を貯めておく方式なので、使い切らない限りはいつ入っても大丈夫です。1日に何度も入ったりすると、湯切れを起こすかもしれません。


追い炊き

追い炊き性能は通常利用ではイーブンです。エコキュートの追い炊きは「貯めておいた暖かいお湯に温くなった湯を通過させる」ことによるもので、若干効率が悪いのですが、追い炊きのかわりに「高温さし湯」を利用すれば、追い炊き感覚で普通に利用できます。結果としてお湯がある限りは大差ないといえるでしょう。


湯量の限界値

限界値でいうならガスの勝ちです。床暖房のことを考えないなら、エコキュートでお湯が足りなくなることはあまりないため、ほぼ引き分けでしょう。しかし、床暖房や洗い物をして大量にお湯を消費した、あるいはお客さんが来て入浴したなんて場合、エコキュートが湯切れを起こしてしまい、沸き増しが間に合わないことがあります。ガスの場合「間に合わない」は発生しません。


災害への対応

キッチンのページにも書きましたが、エコウィルは停電時には使えません。エコキュートなら、飲用以外の用途には溜め込んだお湯が利用可能なので、エコキュートのほうが上でしょう。また、一般的に電気の方がガスより復旧が早い点は重要です。


まとめ

お風呂の性能に関しては、あえて「変わらない」と書いておきたいと思います。ただしこれは「床暖房を考えない場合」の話です。「じゃあ、それを考慮した結果を書けよ」と言われそうですが、全員が床暖房をつけるとは限らないため、床暖房をつけた場合のメリット・デメリットは「冷暖房性能比較」のページにまとめて書いています。