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電気 vs ガス - 価格性能比較

恐らく殆どの人の興味はここに集中するのではないでしょうか。baristaも安全・安いという「安」性能が重要だと思っています。しかし、価格については各人の使い方によって大きく変わってしまうため、どちらが得とは決めがたい物があります。


初期導入費用

エコウィルとエコキュートならほぼ引き分けです。ただし、最近ではオール電化を推すハウスメーカーが増えているため、オール電化が標準装備の場合、エコキュートのほうが圧倒的に安くなります。どちらも標準プランに含まれていない場合は、国からの補助金が多い分、エコウィルの方が10万円程度安くなります。ただし、補助金は早い者勝ち&抽選なので、「当たれば」ですけどね。それに、補助金の額は毎年見直されますので、ちゃんと調べた方がよいでしょう。

ただし、後述する床暖房で「エコキュート+エコヌクール」にする場合、定価で40〜50万円は余分にかかります。床暖房重視なら、オール電化の方が初期費用が高くなるかもしれません。


2009/03/17 追記:

暖房を考慮した際の初期費用が気になったので、試算してみました。ここや、ここの情報を元に計算した、17畳(=25畳分)の床暖房を入れた際の初期批評の概算は以下の通り。

数が出てないせいか、おもったよりエコウィルの初期費用が高いようです。逆に高すぎて無理だと思っていた、エコキュート+エコヌクールはそれなりの価格で収まりました。

今回の試算ではこのようになりましたが、エコウィルの導入費用が高いと言う話も聞きますし、お店によってはエコヌクールの機器代金が相当安いこともあるので、導入を考えた際に改めて値段の調査が必要となります。床暖房を理由にオール電化とガスで悩んでいる人は、両方で見積もりを取ったほうが良いと思います。



メンテナンス費用

エコウィルとエコキュートの機器自体なら引き分けだと思います。どちらが安いかはもはや運の問題ではないでしょうか。ただしエコウィルに定期点検が発生すること、web上の噂ではそれなりに故障が発生することなどを考えると、エコキュートの方が楽かもしれません。というか、本気で総合的なメンテナンス費用を突き詰めると、従来どおり、エコウィルでもエコキュートでもない、電気&ガス湯沸かし器が一番安い「かも」知れませんが....。


冬の暖房・給湯費

人それぞれなので非常に難しいですが。価格はエコキュートの勝ちでしょう。昼間にガンガン使っても、性能が頭打ちになるだけで、値段がエコウィルを越えることはないと思います。ちなみに値段だけで考えると(ガソリン代が安い時期なら)灯油式床暖房が一番安くなります。


まず、エコウィルもエコキュートも平均的4人家族で利益が出るような設計・料金プランです。外れると大してお徳にはなりません。まずは、平均的な4人家族を前提に話を進めます。


エコキュートは安い夜間電力でお湯を沸かします。冷暖房性能のページで述べたとおり、使い方によっては途中でお湯が足りなくなります。しかし、18畳程度のLDK、朝と夜だけ床暖房、夜に1回だけお風呂給湯、という使い方であれば、(460Lタンクなら)なんとか湯切れにはなりません。この場合、エコキュートのほうが随分安くなります。


もし湯切れした場合は、電気代の高い昼間等にお湯を沸かしなおすことになります。しかし、エコキュートは空気の熱を利用する構造上、実は昼にお湯を沸かしたほうが、効率自体は良いのです。したがって昼間の料金が高いとはいえ、1回程度の沸き増しなら電気代が一気に急騰するわけではありません。沸き増しの量にも拠りますが、せいぜいエコウィルと引き分けか、若干高い程度でしょう。


ただし、簡単に18畳程度・朝と夜だけ床暖房と書きましたが、この制限は思いのほかシビアです。実際には18畳でも使い方によっては湯切れがふえます。湯切れが増えれば光熱費のメリットはぐんぐん落ちます。この湯切れのラインはかなり厳しく、ここの話によると、370Lで給湯をした場合、大変安く(=湯切れなしで)利用できるのは8畳3時間のようですね。


性能の上限は、(家の断熱性能にも拠りますが)460L・給湯なしで18畳、4〜5時間と書いてあります。あくまで性能の限界値であり沸き増しを含む上限だと思います。価格の分岐点ではありませんので、ここまで使うとエコウィルとの差はなくなるか逆転するかもしれません。

それ以上の利用は性能的に無理になります。したがって、上限を超えて利用したいなら、エコキュートではなく、エコヌクールとの比較が必要となります。エコヌクールを導入した場合、エコウィル並みの床暖房性能と、エコウィル以下のランニングコストという、「良いとこ取り」が実現できます。そのかわり前述の通り、初期費用が上がりますので、機器価格と利用頻度を見比べて考えましょう。


夏の冷房・給湯費

こちらはエコキュートの方がかなり安くなる人が多いでしょう。しかし、当然使い方によります。

気温が高くなると、大気の温度を利用してお湯を沸かすエコキュートには非常に有利になります。お風呂給湯に関してはエコキュートの方が随分お得でしょう。


冷房はガスでは実現できませんので、どちらにしても電気でエアコンを動かすことになります。エコウィルなら発電して電気を補えますが、給湯にしかお湯がいらない夏においては発電の機会は余りありません。頑張って発電しても熱が無駄になるため、普通に電力会社の電気をつかう一般家庭よりほんの少し得というレベルです。

じゃぁ、エコキュートの方が冷房のコストが低いかというと微妙です。冷房は暑い昼間に使いたいし、夜は結構我慢できます。しかし、オール電化の電気代プランは夜中に安く、平日昼間に高くなります。したがって、平日家にいることの多い人は、得意のはずの電気代で損をすることになります。専業主婦のいる家庭、休みが土日じゃない家庭、SOHOの家庭には向きません。

一方、共働きで夜しか家にいないなら、「寝るときだけ冷房⇒もの凄く安い」という理想系が実現できます。そこまで極端でなくとも一般家庭ならオール電化の方が安いでしょう。また、暖房のときと同様、そもそも冷房をあまり使わない家庭なら、オール電化の方が安くなるでしょう。


なお、光熱費がかさむと思われがちな冷房費ですが、実は暖房費のほうがお金はかかります。32℃程度の気温を25℃程度に下げる冷房に比べ、5℃程度の気温を20℃以上に上げる暖房の方が、温度差の分必要なエネルギーが多いからです。それほど贅沢に使わなければ、冷房費より暖房費のほうが重要ですので、コストを考えるときは冬を重視しましょう。


その他の光熱費

洗濯は夜中になど、工夫次第ではオール電化の方が随分安くできます。ただし、普通に昼間に作業すると、オール電化の方がやや高くなる点に気をつけましょう。冷蔵庫など動きっぱなしの製品が多い家庭は要注意です。ただし、ガスと電気両方の基本料金を払わなくて済む点はオール電化の大きなメリットです。

調理の光熱費はほぼ引き分けでしょう。夜中に料理をする人はいないので、オール電化の場合、安くも高くも無い時間に料理する人が殆どだと思います。


将来を見越すと....

近年、ハイブリット車の技術革新がすさまじく、ちょっと前まで「企業のイメージUP用」だったプリウスやインサイトですら一般人の選択肢に入るようになって来ました。ドイツのある一流自動車メーカーが「7年以内にガソリン車を撤廃する宣言」を出したことからもわかるように、今後は「100%電気自動車」も普及していくと考えられます。

仮に10年後にその時代が来たとします。オール電化なら毎晩駐車場で充電することにより、大きなメリットが享受できるでしょう。少なくとも「100%電気スクーター」ぐらいは今すぐに出てもおかしくない時代です(元々の燃費が良いので開発されないみたいですが)。頭の片隅に入れておいてもよいのではないでしょうか。


まとめ

「節約のオール電化」と「ゆとりのガス」とまとめたいと思います。

光熱費を無駄にしないよう、エコな生活を心がけるなら、オール電化の方が圧倒的に安さを追求可能です。一方、「暖かい生活がしたい」など、ゆとりを実現しようとした場合は、その差は小さくなります。もともと自分達がどんな生活をしているか、今後どんな生活をしたいかにあわせ、安くなりそうなほうを選ぶとよいでしょう。

ただし、ガスが性能的に有利になることはあっても、「ガスのほうが光熱費が安い」という事は今のところ本当に稀だと思います。webで見かける「エコウィルで光熱費が安くなった」という人の意見は、あくまで「旧来のガス給湯器より」という意見であり、「エコキュートよりも安い」という意見ではありません。

とても穿った見方ですが、電気とガスの販売戦略の違いが光熱費に効いてきます。電気は一般家庭相手に儲ける気はなく、工場など電気代で儲けています。一方、ガスは工場などではなく一般家庭のガス代で儲ける戦略をとっています。なので、価格だけで考えるなら、どうしても電気のほうが有利になるのは仕方がありません。

ただし、電気・ガスの料金体系が将来どうなるかなんてわかった物じゃないので、完璧な計画によるギリギリの生活設計をするのではなく、自分達にどちらが向いているのかを「ゆるく」判断した方が良いと思います。夜間電力が安い前提でオール電化にしたものの、昼間の方が電気が安い...なんて時代も来るかもしれませんので。