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電気 vs ガス - 冷暖房性能比較

冷暖房性能に関してはややガスが有利です。ただし住む地方や生活習慣に大きく依存しますので自分達にはどちらが向いているのかじっくり考える必要があるでしょう。冷暖房の使い方こそが「電気とガスの選択」を左右すると言っても過言ではありません。

なお、以下の比較は主にエコキュートとエコウィルにて行います。電熱線方式(ようはホットカーペット方式)は比較対象に含めません(メイン暖房に向く方式ではないため)。


暖房の立ち上がり

よく「ガスのほうが火力が上なので立ち上がりはガスが上」なんて説明を受けますが、理想的な状態において立ち上がり自体は「ほぼ」引き分けだと思います。ただし、突然の利用にはガスのほうが上です。

エコキュートが床暖房に利用するお湯は温度が低めなのですが、夜間に沸かしておいたお湯を設定時間に循環開始するため、使い方によっては立ち上がりの悪さが気になることはありません。一方、エコウィルも設定しておけば自動で循環を開始するので同じ感覚で利用が可能です。急に暖房を入れた場合の立ち上がりはさすがにガスのほうが上ですが、どっちにしても床暖房は立ち上がりの早い暖房方式ではないため、ファンヒーターなどには勝てません。


暖房面積

エコキュートとエコウィルならエコウィルの圧勝。エコキュートは前もって沸かしておいたお湯をやり繰りする方式なので、大型の物でもせいぜい18畳が限度。沸き増しを利用しても湯切れの可能性があり、常時利用だと10畳すら厳しい。一方エコウィルなら無尽蔵にお湯が沸かせるため、ガス代を気にしなければ全館暖房にも対応可能。

オール電化で広い面積の床暖房に対応したいなら、エコヌクール等の導入を考えましょう。例えばエコヌクールピコで最大35畳、レオなら60畳程度の床暖房が可能です。ただし、それなりの初期費用がかかります。


暖房を利用可能な時間

エコキュートとエコウィルではガスの圧勝。面積と割り算の方向が違うだけで同じ話。エコキュートはよほど面積を限定しない限り、湯切れの可能性があるが、ガスなら24時間ずっと使える。面積の話と同様、オール電化で24時間暖房を実現するにはエコヌクールなどを利用すべきでしょう。


冷房性能

詳細に分ける必要がないので単刀直入に書くと電気の勝ち。ガスでは冷やせないので。「電気代が」とか「ガスで発電することで」とか言う話は性能ではなく価格の話なので、価格性能比較の方に書きます。


まとめ

光熱費を度外視してエコキュートとエコウィルの間で「能力の上限」を比較するなら、ガスの圧勝でしょう。湯切れの問題があるため、エコキュートで床暖房を使いすぎると、お風呂の使い勝手まで悪くなる可能性があります。

ただしそれは、「できる限り広い面積を」「できる限り長い時間」暖房しようとした場合の話です。冷静に今の暖房の使い方を考えて欲しいのですが、24時間、全部屋にストーブorヒーターを入れている人はいますか?恐らく、家に帰ってきたらリビングにだけ暖房を入れ、寝る前に切る。朝起きたら暖房をつけて、会社に行く前に切るのではないでしょうか。

そんなわけで、「能力の上限」が必要かどうかは大きな問題です。とはいえ、リビングとキッチンが分かれている昔の家屋ならまだしも、現代のようにLDKが広い設計において、エコキュートでの床暖房は力不足だと思います。また、とても寒い地方では同じくガスのほうが有利でしょう。一方、LDKがそれほど広くない都心の一軒家や、暖房を使う時間の短い方、比較的温かい地方での家作りなら、それほど湯量にシビアにならなくても良いかもしれません。

オール電化でガス並みの床暖房を実現したいなら、エコヌクールなどのヒートポンプの導入も検討してください。初期費用はかかりますが、オール電化でガス並みの設置面積が実現可能で、運用コストはガスより上です。