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ハウスメーカーの印象 -- 木下工務店



木下工務店は木軸の家と2x4の家の両方を手がける中堅ハウスメーカーです。CMや広告をやる気が無い変わったメーカーのため、ハウスナビなどにも登録されておらず、web上での露出も低めです。そのため関東圏はともかく東海以西での知名度はあまり高くありません。実際に僕が展示場にお邪魔したのも、「せっかくだからもう一軒ぐらい」と、外観の印象でなんとなく選んだだけだったりします。ちなみにCMの代わりに、代理店制度、映画への出資、フィギュアスケート大会の後援などを行っています。その結果として広告費が安く済んでいるため、中堅メーカーの割にはお買い得な家が建つようです。

木下工務店の売りの一つは施工品質の高さでしょう。もともとキノシタグループに入る前の木下工務店は、100%自社職人という、その名の通り「巨大な工務店」的な会社でした。グループに入ってからも、「2回以上木下の建売住宅を建築してOKがでないと一般住宅は担当させない」など独自の工夫で施工技術キープのための努力をしているようです。 もう一つの売りは非常に自由度が高い点です。都会狭小住宅で三角形の家を建てたり、趣味に合わせて卓球台のある家や屋内ハーブ園のある家を建てたりなど、おおよそ一般的な木造ハウスメーカーがやらないような、変な家を得意としています。

価格は坪30万円台からとかなり低価格の見積もりにも対応しますが、低価格メーカーという位置づけではないように思います。「一番安い家」ではなく、「複雑な設計にしては割安な家」が得意なメーカーです。ですので、「面白い間取り、変な構造の家を建てたいけど、出せるお金に限りがある」なんて人には非常に向いています。一方、「正方形の総2階でできるだけ安く」と考えているなら、他の低価格帯メーカーと比較してみた方がよいでしょう。

営業さんは総じて面白い人が多く、紳士的というよりはフレンドリーな雰囲気。というか、打ち合わせの間は常時大爆笑、という雰囲気でした。契約前の設計段階で出してくれる見積もりの内容は、どこのメーカーよりも詳細です。坪単価ではなく、「xクラスの壁紙を張ったと仮定して」「xxの部分は2x4ではなく2x6で補強して」など、単価と個数で計算した明細が提示される上、仮設トイレ費用、大工さんの日当、火災保険料、契約書に貼る収入印紙代金まで含めて詳細に明記した見積もりには、正直度肝を抜かれました。


【木下工務店に向いている施主】

・他人と違う変わった家が建てたい人

・自分の希望のために多少の金額が追加できる人

・「坪単価」という不明瞭な単位にうんざりしている人

・営業さんと雑談するのが趣味な人


【木下工務店に向いていない施主】

・部屋数を実現できるギリギリの低価格を目指す人

・間取りさえよければ、家の形の面白さには興味のない人

・おしゃべりな人の相手をするのが苦手な人