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蒲生邸事件

作者:宮部みゆき/ 原作:/ 61点
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価格:940円(税込、送料別)

■偽善的

 

主人公の孝史は高校3年生。大学受験に全て失敗し、予備校の受験の為に、父の会社の持ち物である、とあるホテルに泊まることとなった。そのホテルは「蒲生邸」と呼ばれる古い建物のあとに建設されたものだという。孝史は同じホテルに宿泊する異常に陰気な男の存在をいぶかしがっていたのだが、その男は突如、非常階段のところで姿を消してしまった。飛び降りたのかと慌てて探す孝史だが、男は何事も無かったかのように、別の場所から姿を現した。このホテルはいったいどんな由来をもつホテルで、陰気な男の正体は一体何者なのか、というのが物語冒頭で示される、物語の主軸となる。

 

さて、物語は続く章でいきなり大きな展開を見せる。なんと孝史が目を覚ますと、ホテルは炎に包まれており、孝史は完全に逃げ遅れた、絶体絶命の状況に追い込まれていたのだった。

 

とまぁ、ここまでが冒頭の展開なわけだが、正直だるかった。主人公がかなり嫌いなタイプの性格だった上に、だらだらと長く、そのうえこの導入部分の設定は、物語中盤の展開には殆ど影響しないからである。なんだかなかなか読み進まないなぁ、と感じながら読み進める羽目になってしまった。

 

以下、核心に触れるネタバレが多くほめ言葉は少ないため、未読の人はジャンプ

 

とまぁ、ネタバレ内に散々な事を書いたのだが、そういう細かい設定にこだわりの無い人には結構面白く読めるのかも。ただ、あんだけ世界を引っ掻き回して最後の結末が「少年の精神的成長」なんて冗談じゃねぇ、と思ってしまう。ってか、天才宮部みゆきにもこんな時代があったのね...。

最初に読むならぜひ模倣犯をどうぞ。