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幸福な食卓

作者:瀬尾まいこ/ 原作:/ 64点
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■不幸にあざとさを感じる...

 

「幸福な食卓」は瀬尾まいこ作の長編小説で、後にコミック化や映画化まで成されたヒット作である。....なんだけど、個人的には「卵の緒」の方が好きだったかも。

 

主人公の佐知子の家庭では、必ず毎朝朝食を共にするルールだった。ある朝、佐知子の父が「父さんは今日で父さんをやめようと思う」と宣言する。母は別居中。天才だったはずの兄は大学をやめ、農業を始めてしまう。

とても複雑な家庭を舞台にした物語は瀬尾まいこらしいなと思ったものの、その後の展開が個人的には好みではなかった。前作「卵の緒」はどうしようもない現実に対し、精一杯生きる姿を描いたティン・バートン的世界であり、読者を勇気づける作品なのだが、本作品の場合は、終盤になってショックな出来事が追加されるせいで、読者の心がへし折られてしまうのだ。個人的にはかなりショックだったため、その後の主人公の心の復活にも同調する事ができなかった。

 

以下、大きなネタバレ

 

ネタバレ内に厳しい事を書いたものの、会話の言葉選びなのセンスなどは相変わらず。個人的にはあのケバい女性のキャラクタは非常に好み。細かい話はそっと置いておいて、シュークリームが食べたくなった。