獣の奏者 外伝 刹那作者:上橋菜穂子/ 原作:/ 50点
■わかっているならやめておけばよいのに...
獣の奏者といえば上橋菜穂子の名を一躍有名にした大ヒット作である。初めて手に取ったときには、十二国記・ブレイブストーリーなど女性の手による本格的なファンタジーが次々と登場する中、またもや物凄い作品が登場したものだと、非常に圧倒されたものだ。 さて、人気になったファンタジー作品の当然の顛末として、本作品もアニメ化が実現した。で、アニメ化を機会に、これまで書かないと言い続けてきた続編を書いたのだが....ちょっと残念な出来だった。ご本人も本当は書きたくなかったのではないかと若干同情してしまったぐらいである。 で、本作品はさらにその外伝という位置づけ。前回のことがあるので、期待よりも心配が先にたってしまった。読んでみた結果は...うーん、やっぱりやめておいたほうが良かったような...。
【刹那】 エリンとイアルの結婚前後を書いたお話。そのあたりはリアルに描くよりも、そっとわからないままにしておいた方が良かったような...。
【秘め事】 エサルが若かりし頃の話。リアルだなぁとは思うけれど、なんかその、昭和・大正の恋愛を聞かされているような。刹那よりはこっちの方が面白かったけど...。
【はじめての...】 エリンの息子ジェシのお話。ビックリするぐらい印象が浅かった。
あとがきを読んだら、「細かく描くよりも、あえて端折る事の方がよい」とご自身で書いていらっしゃった。なんだかそういうあとがきを目にすると、周りに切望されて仕方なく書いたのではないだろうかと、心配になってしまう。
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