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シャーロック・ホームズ シャドーゲーム

監督:ガイ・リッチー/ 原作:/ 78点

■破天荒なようでいて原作に忠実

 

「シャーロックホームズ シャドーゲーム」は新しい解釈のシャーロック・ホームズ像を描いて大成功した前作に引き続き、同じ俳優、同じ監督にて撮影されたシリーズ第二作である。特に前作を知らずとも、1津の作品として楽しむことのできる作品ではあるが、前作を知っていたほうが倍楽しいので、まだ見てない人は順番にどうぞ。

 

本作品のメインはあの「モリアーティ教授」との戦いである。「あの」と言われても知らない人もいるかと思うので、というか自分も前作を見て知ったぐらいなので、簡単に人物像について説明しておこう。

モリアーティ教授というのは、原作にも登場した、シャーロック・ホームズの世界における黒幕的存在である。表の世界での彼は大学の教授であり、様々な功績を残す、いわば地元の名士である。一方、彼には裏の顔が存在し、裏世界での彼は様々な犯罪組織を影で統率する、文字通りの黒幕である。しかし、彼自身が犯罪に関わっているという決定的な証拠を残すようなことはないため、ホームズは彼が黒幕であることを知っているにも関わらず、犯罪者として警察に突き出すことが出来ない。

 

以下、物語冒頭の流れに触れます。

 

映画冒頭、ホームズの想い人である女性が登場し、ホームズとちょっとした小競り合いをする。実は彼女、モリアーティに弱みを握られているようで、彼の手先として働いていたのだ。ところがホームズとの小競り合いに失敗したためか、彼女は消されてしまう(でもきっと生きてそうな描写だよねこれ)。

で、ホームズが彼女のハンカチを見せられて、衝撃を受けるシーンが存在するのだが、この辺りが前作 or 原作を知らないと感情移入できない。

さて、モリアーティにとってホームズは、彼の犯罪に気づいている存在であり、唯一彼に匹敵する知能の持ち主として、目の上の瘤である。本作品で彼はホームズの排除を試みる。当然真っ当な方法での戦いは挑まない。彼はホームズの一番の弱点であるワトソンの命を狙うことにしたのだ。さて、そんなワトソンだが、何とこの物語の冒頭で結婚式を上げ、新婚旅行に向かう。畢竟、ドタバタ展開が待っているわけだ。

 

この映画の魅力は、何と言ってもウィットに富んだ会話と特異な映像表現であろう。アクションシーンがてんこ盛りで、いわゆるミステリ小説的な展開ではなく、ルパン三世を見ているようなドタバタ感が味わえる。半面、ミステリ的な知的感動シーンはあまりなく、もうちょっとだけ何か「仕掛け」が欲しかったなあと思わなくもない。とはいえ、映画として楽しく見るには最高の出来栄えだと思う。

 

前作のレビューでも書いたように思うが、かなり過激解釈に見える本シリーズだが、実はかなり原作に忠実にできている。原作のファンも是非ご覧になって「なるほど、こう解釈したのか!」と驚きとともに楽しんでいただければと思う。