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リアル・スティール

監督:ショーン・レヴィ/ 原作:リチャード・マシスン/ 69点

■未来版ロッキー?

 

リアル・スティールは近未来のアメリカを舞台にロボット・ボクシングと父・息子の愛情を描いたハートフルSFドラマである。X-MENでウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマンが主役と言うことで、よっぽど骨太な物語にでもなるのかとおもいきや、お手本のようにハートフルな作品だ。

 

ヒュー・ジャックマン演じるチャーリー・ケントンはロボット・ボクシングで日銭を稼ぐ、生活力のない男である。彼には一人息子がいるが、子供ができてすぐに離婚し、独りで退廃的な日々を送っていたため、顔を合わせたことすらなかった。ところが母親は夭折し、誰かがその息子を引き取る事となった。元々は叔母に引き取らせるつもりだったチャーリーだが、その夫が大金持ちであることを知った彼は、夫に1万ドルで息子を売り渡し、彼らの旅行の間だけ息子を預かることとなったのだった。

 

もうね、正直、舞台が近未来でロボットが出てくる以外は、何のひねりもない映画。どう考えても、父は息子への愛を取り戻すだろうし、そんな父の頑張る姿に、息子は尊敬の眼差しを送るであろうことは請け合い。正直、最初から最後までほぼ100%予想通りの展開と言って良い。正直ロボットが出て来なかったら、一般的な親子愛を描いた映画やロッキーみたいな映画と見分けがつかないぞ。

 

以下、ネタバレ有り

 

 

さて、上記ネタバレ内には結構厳しい目の事を書いた。っていうか、かなり辛辣な意見を書いたが、じゃぁこの映画がつまんなかったかというと、全然そんな事はない。馬鹿っぽい部分はあるにせよ、ロボットのCGは完璧で、本当に鉄の塊が戦っているかのように見えるし、子役のダコタ・ゴヨの演技も素晴らしい。しかしまぁ、去年息子が生まれたせいで、何らかのフィルタがかかっていて、ハートフル映画に対する評価が甘くなっている可能性は否めない。見て面白くなかったと言われても、責任は取れないのであしからず。

 

んなわけで、あまりに普通な映画だけど、ちゃんと普通ができている良作品。願わくばショーン監督には「柔王丸」を映画化してほしいものだと思う。

 


※ちなみに子役ダコタ・ゴヨは子供時代のマイティー・ソー役をやってた子らしい。うーん、覚えがあるような無いような...。