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ゾンビアス TOILET OF THE DEAD

監督:井口 昇/ 原作:/ 88点
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価格:4,308円(税込、送料込)

■傑作C級ホラー作品

 

「ゾンビアス」は最初から斜め上の馬鹿な路線を狙って、狙い通りにバカな作品として完成させた、超お下劣馬鹿(いい意味で)ゾンビ映画である。タイトルは有名な「ゾンビランド」や「キック・アス」のパロディだと思われる。

 

物語は中学校のトイレという意外な幕開けだが、それ以降はわざとらしいまでに王道をなぞっている。ハープバンツのセクシー美女やドラッグを決めた馬鹿男たち御一行が、夏のキャンプ場にやってきて…という設定は、13日の金曜日などの有りがちな洋ホラー映画の設定のパロディである。

で、そこでゾンビに出会って追い掛け回され、って展開だけをなぞると完全にホラーの王道なわけだが、細かい設定がアホすぎて素晴らしい。何と、御一行のキャンプ場にやってきた理由ってのは、モデルを目指す女が「寄生虫ダイエット」の為に、マスに宿るサナダムシを捕まえに来たってものなのだ。で、ちょっと変な寄生虫が見つかったのだが、機にせずそれを飲み込んでしまう。当然彼女は激しい腹痛に襲われる。

 

以下、ストーリーの大きな流れに触れます。触れても特に問題ないと思うけど、気になる人はここまででブレーキ。

 

で、車を盗まれた一行は山の中を歩くのだが、ジャンキーの男は謎の男に指を食いちぎられる。主人公の少女はそれを蹴りで撃退するのだが、「とんでもないこと」が起きてしまう。

で、慌てて民家に逃げ出し、そこで腹痛女がトイレに駆け込むのだが、…なんと、汲み取り式トイレの中から、ウ◯◯まみれのゾンビが現れるのだった。

これ以降、物語の中盤は謎の◯ン◯まみれのゾンビとの戦いが続く。ゾンビが◯◯コを投げつけてきたりというトンデモシーンは、恐らく世界で初の映像だろう。ゾンビ映画は新たな1ページを開いたといっても過言ではあるまい。開くべきページだったかどうかはともかくとして(笑)。

 

で、ここまでは楽しくゲラゲラ指さして笑いながら観させてもらったのだが、正直出尽くしたなと。この設定ではこれ以上面白い方向には行かないな、と思ってたら、寄生虫設定が物語をトンデモ方向に牽引し、見事にマンネリを回避してくれた。

 

以下、結末を含む完全なネタバレのため、見てない人は開かないように。

 

一応この映画、「汚さを受け入れなかったこと」で妹を無くしたヒロインが、汚さなんか何さ!って気持ちで戦うようになるという、少女の成長物語としての構造がある。すっげえ馬鹿馬鹿しいにも関わらず、脚本的に退屈することはなくて、最期まで楽しく見ることができた。映像も、なかなか魅力的で、さすがは片腕マシンガールで有名になった井口監督だけのことはあるなと感心した。

 

この映画、C級映画の常として、セクシーなシーンも盛りだくさんとなっている。んだけど、いやらしい意味でセクシーというだけではなく、非常にヒロインたちを美しく撮っている点が凄い。どれぐらい凄いかというと、メイキングビデオで登場人物を観たら、「こいつ誰?」ってなったメンバがいたぐらい。馬鹿なことをやっているだけではなく、ちゃんと映像としての美しさも考えた上で撮影しているのだ。

...なんだけどさ、井口監督ってもともとAV監督上がりで、過去の作品タイトルをwikipediaで調べたら、これが見事に◯◯◯◯系ばっかり。完全にこれ、監督の性癖を満たす為の映画だよね(笑)。そりゃ撮影中ずっと笑顔なわけだわ。

 

そんなわけで、C級映画史に残る、いろんな意味で素晴らしい作品。お薦めだけどおすすめしがたい作品。女の子に勧めるわけにはイカンよなぁ…。