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告白

監督:中島哲也/ 原作:湊かなえ/ 100点
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■気持ち良くなる位の怖さ

 

偶然ケーブルテレビの日本映画チャンネルで視聴。番組表を見ていて「あぁ、松たか子主演で話題になった作品だなぁ」ぐらいの軽い気持ちでチャンネルを合わせたのだが、結局トイレに行くことすらできず、最後まで視せられて、いや魅せられてしまった。まさかここまで凄い作品だったとは。

 

以下、物語冒頭のストーリーに触れるので注意。映画の説明等に使われる程度のレベルではあるものの、何にも知らずに視たほうが絶対に衝撃的で楽しめると思うので、前知識が何も無い人は読まずに映画を見ることをお勧めします。借りてくる時にもパッケージを不用意に眺めない事。

 

とある中学校の3学期の終業式の日、担任の森口(松たか子)は自分が教師を辞める事を告げる。その告白に生徒達はざわめく。

もう、この終業式の日のシーンだけでこの映画の評価は決まったといって良い。穏やかに話す先生と、話をまともに聞く気の無い半数の生徒達のざわめき。やがて明かされる事実の数々に少しずつ変貌するクラスの空気。そして先生が行ったある「報復行為」とそれを聞いた生徒の反応。どこの芸術映画だろうかというようなモノトーンの澄んだ映像の中、同じく色を見せない穏やかな表情の松たか子と、その口から語られる衝撃的な物語とのコントラストに背筋がゾクゾクした。普通の映画ならこのシークエンスがラストシーンで問題ないほどの出来映えだ。

 

しかし、この物語はとある「事件」にかかわった生徒、その母親など、多数の人間の視点により、何度もえがき直され、その度にあらたな真実が明らかとなり、そこから新たな物語が展開されてゆく。

 

最終章にて、非常に恐ろしい結末を迎えた際に僕はとてもスッキリした。それはそれは非常に恐ろしい結末であるにもかかわらず、一種のカタルシスを感じてしまったのだ。

 

さてこの完成度の高い作品、原作者の湊かなえは当初、第1章だけで完結の予定だったという。第1章が書き上がったときには鼻血が出たそうだ。それ程この構成に集中していたのだろう。鼻血がでるほどの作品を書けるというは作家冥利に尽きるに違いない。

 

本作品の監督は中島哲也氏。「パコと魔法の絵本」がかなり好きな作品の一つだったのだが、カラーがあまりにも違うので、まさか本作が同じ中島氏の作品だとは思わなかった。今注目すべき邦画監督の一人だと思う。

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