サイト内検索:  

くらのかみ

作者:小野不由美/ 原作:/ 54点
【送料無料】くらのかみ

【送料無料】くらのかみ
価格:2,100円(税込、送料別)

■ターゲットがよく分からない

 

「くらのかみ」は「十二国記」「屍鬼」で有名な小野不由美の児童向けっぽいミステリ作品である。自分にとっての小野不由美は傑作十二国記の作者であり、ゲームし過ぎや、いつになったら続きを書くねん!というイメージの作家であるが、世間的にはホラー作家という評価らしい。本作品もそのホラー要素をちょっぴり交えた上でのミステリー作品となっている。

 

本作品の主人公は、とある古い民家に集まった子供たちである。冒頭に子供たちは三郎兄さんに教えられた事を実際にやってみようと、蔵を使ってある事を実行する。それは雪山の怖い話として有名なヤツである。詳細は説明が面倒なので、ここを参照して欲しい。

で、その結果、4人だった筈の子供が5人になって、「座敷わらしが混じってるんじゃない?」って状態から物語は始まる。子供たちは誰が増えてしまったのかを大人たちに確かめてもらおうとするが、うまく行かず、そうこうしているうちに集団食中毒事件が起こり、それが殺人未遂事件だったのではないかと考えた子供たちは、自分たちの手で犯人を見つけようとするのだった。

 

これ、子供向けに見せかけた大人向け小説なのかなぁ、と思って読んでいたのだけれど、どうも本当の子供向け作品の様子。トリックはなかなかしっかりしているし、途中に子供たちが書いたメモが登場するお陰でわかりにくい物語であるにもかかわらず、理解しやすくなっている点も、子供向けとしては良いと思う。

 

ただ、手放しでお勧めしがたい部分も若干。以下完全なネタバレ

 

ってなわけで、ドロドロとした大人の世界を子供に早めに教えておきたければ、一度読ませてみてもよいだろう。自分は小学校低学年の時には殺人事件物や星新一をバリバリ読んでいたので、別に子供に大人の世界を見せることに抵抗はない。そうでない人は別の作品を選んだほうが良いかも。