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攻殻機動隊 S.A.C. episode 12 タチコマの家出 映画監督の夢

監督:神山健治/ 原作:士郎正宗/ 94点
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 06

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 06
価格:6,300円(税込、送料別)

攻殻機動隊 Stand Alone Complex episode 12

- standalone episode:タチコマの家出 映画監督の夢 ESCAPE FROM

 

■贅沢な箸休め

 

短編2本のオムニバス形式で紡がれる、ちょっとした箸休めのようなエピソードである。しかし、両者は物語としてつながるようになっているし、タチコマの今後の運命を左右するきっかけともなる、重要なエピソードでもある。短編集という形式が好きな上に、「ロボットの感情」だとか、「人の生きる意味」だとか、「現実と仮想現実の価値論」など、好みの内容が含まれるため、個人的には大好きな一話。逆にそういうのが好きじゃない人には、やや退屈なのかも。

 

【タチコマの家出】

情報の並列化によって全ての機体が同じ状態に保たれているはずのタチコマのうち一体(通称バトー専用機)が、ふと目を覚ました。バトーが冗談半分で与えた天然オイルが何らかの影響を与えているようだ、とタチコマ自身は分析した。そんなタチコマは、自らの「好奇心」の赴くまま、9課格納庫を飛び出し、ある少女と出会い、奇妙な旅をする。

 

実はこのエピソードはStand Alone Epsodeではあるものの、後々のタチコマの行動を説明する上で、非常に重要な一話である。(したがって本エピソードを省き、笑い男に関するエピソードだけを集めた特別版は、もったいないのでお勧めしない。それでは最後の数話で泣く事ができないだろう。)実は本エピソードこそが、タチコマが明確に「機械」から「生物」へと変貌を遂げるターニングポイントなのだ。天然オイルはそのきっかけに過ぎない。

 

以下、ネタバレ注意

 

 

【映画監督の夢】

前編で露店を歩いていたタチコマは、謎の「箱」を持ち帰ってきてしまい、それを素子に取り上げられてしまう。接続して中身を解析しようとした鑑識は、そのまま帰ってこなくなってしまった。果たして「箱」の正体は?と言うのが、後編の骨子である。

 

以下、完全なネタバレ。まだ見ていない人は絶対に読むべからず。

 


■おまけ

さて、いつもちょっとひねってある英語版タイトル。今回の"ESCAPE FROM"は「〜から逃れる」と言う意味。これは例に漏れずダブルミーニングで、「タチコマの脱走」と、「後編の『視聴者』が現実から逃避している事」の二つを表している。上手い事考えるなぁ。

 

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