攻殻機動隊 S.A.C. episode 13 ≠テロリスト NOT EQUAL監督:神山健治/ 原作:士郎正宗/ 86点
攻殻機動隊 Stand Alone Complex episode 13 - standalone episode:≠テロリスト NOT EQUAL
■見事に計算された後味の悪さ
16年前にテロ組織に誘拐された、当時10才の少女トクラ・エカが、組織の根城となっている海上プラント上で発見された。それも当時とほぼ同じ姿で。彼女は一体何物なのか、その謎を明らかにするために、9課のメンバが現地へ向かう事となる。
本エピソードの魅力はなんといっても、撮影された少女の謎を解き明かす過程にあるだろう。ほぼ同じ姿と言う事は同一人物とは考えがたいのだが、「先に潜入した捜査員がトクラ・エカ本人のDNAサンプルを送ってきた」という情報が与えられる。となると「義体化」により、少女時代の姿を保っている可能性が高いが、そもそもそのテロ組織は「義体化に反対するための集団」であり、動機を理解しがたい。トグサが唱えた、クローン説も明確な欠点こそ無いものの、やはり積極的に採用するには利益が無さ過ぎる。
では、彼女の正体はなんなのか、真相は以下のネタバレ中に。
とまぁ、ネタバレ内に若干厳しい意見も書いたものの、仕掛けは十分。映像もそこそこ派手で、なかなかの出来栄え。しいて言うなら、後味が悪いのが難点か。いや、意図的に登場人物や視聴者に後味の悪い気分になってもらおうと言うエピソードなので、欠点ではなく狙い通りなのだが、どっちにした所で見終わるとへこむのは仕方あるまい。
■おまけ チェックしておきたい面白い・興味深い台詞が幾つか。かんたんに解説しておきます。
「ええ、よく覚えてるわ。何処か人事に思えなくて」 →PRのために幼くして電脳化されたエカについての素子の発言。素子が自らの意思に関係なく、幼いころに義体化せざるを得なかったという事実、そしてそれが嫌だったという思いを、さりげなく漏らしている。
「もしかしてここに入るんですかあ・・・?またつかえないといいけどなあ・・・」 →「恵まれし者たち」で、挟まって救出を待つ羽目になったエピソードを受けての台詞。
「まだまだ囁きが足りないなあ、トグサ君は」 →第6話の「そうしろって囁くのよ。あたしのゴーストが」という素子の台詞を受けてのものだと思われる。ちなみに20話で「囁くようになってきたのかしら」とトグサが素子にほめられるシーンが存在する。
攻殻機動隊 Stand Alone Complexに関する記事一覧はこちら >>
Copyright barista 2010 - All rights reserved. |