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ハンニバル

監督:サー・リドリー・スコット/ 原作:トマス・ハリス/ 78点
ハンニバル ポピュラー・エディション

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■愛すべき殺戮者の恐ろしさ

 

「ハンニバル」はハンニバル・サーガの第3作目。前作羊たちの沈黙で出会ったレクター博士とスターリングの後日談だ。まず驚いたのは、スターリング役がジョディ・フォスターでは無かったこと。あまりに残酷な脚本に引いて、辞退したのだとか。代わりに演じたのはジュリアン・ムーア。最初は2作が脳内で繋がらず気持ち悪かったが、全身から出る雰囲気はなかなか良い。ただ、存在感や感じる知性ではジョディ・フォスターの方が上だと思う。

 

本作はレクター、スターリング、メイスンの3者が主役級。以下前作や本作の流れについてネタバレ。

 

相変わらず映像は格調高く、台詞回しも素敵。レクター役のホプキンスの会話はそれだけで絵になる。深くは語らないが、小説版と映画版では結末が異なるようだ。ただし、映画版の方が一般人に拒絶反応の少ない締めとなっているように思う。我々は犯罪者ってのをどこか別世界の物として認識しておきたいわけで、その壁を壊されると不安になってしまう。小説版ではその壁を壊す結末が準備されているからだ。

 

さて、この作品に何点をつけるべきか。本作は脚本も映像も音楽も良いが、いくらなんでも映像がグロすぎる。そんなわけで、ホラーが平気で見られる人なら85点。全く見られない人には70点かな。自分はホラーは基本的に見ない人だけれど、80点以上だと思う。ただし、子どもに見せるべからず。食事中に見るべからず。寝る前に見るべからず。いや、見ちゃったけど。

 

ストーリーとは直接関係が無いが、レクターの最後のシーンでの子どもとの会話が秀逸。新しい食べ物を試してみる好奇心は人間進化の祖ではあるのだ。おそらくあの映像と会話はキリスト教における原罪を表しているのだろう。非常に凄みのあるシーン。

 

ちなみに、ハンニバル・レクター役のホプキンス氏はベジタリアンだそうな。皮肉なキャスティングである。

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