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羊たちの沈黙

監督:ジョナサン・デミ/ 原作:トマス・ハリス/ 95点
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■アカデミーに帰りなさい、クラリスお嬢さん

 

名作中の名作であるにもかかわらず、長い間見るのを避けていた作品。何故かって?だって、怖いじゃん。実はレッド・ドラゴンの方はハンニバル・サーガだとは知らずに見たことがあって、「しまった逆に見ちゃった」と思っていたのだが、後で調べてみたら、原作の出版順的には、レッドドラゴンが先で正しいらしい。ある意味ラッキー。

 

物語のあらましを簡単に説明しておこう。ある連続猟奇殺人が発生する。犯罪者を追い詰める為の調査の一環として、FBIのスターリングはレクター博士を訪ねるため、刑務所に向かった。レクターは元々非常に優秀な精神科医なのだが、過去のある凶悪事件の犯人として、刑務所に囚われの身だった。つまり、猟奇犯罪者の心が理解できる精神科医であるため、本件の分析に最適だというわけだ。本作品では犯人をいかに追い詰めるかという主軸以外に、このスターリングとレクターの関係が見所となる。

 

本作の魅力は脚本と演技。作品中のFBIの行動や犯人の行動、レクターやスターリングの行動等、脚本や演出が優れていて、とてもリアリティがある。そして一番の見せ場といえばなんと言ってもアンソニー・ホプキンス演じるレクター博士とジョディ・フォスター演じるスターリングの会話のシーン。特にホプキンスの演じる「狂った天才」の恐ろしさといったらない。

この会話シーンのプロットの秀逸さは、その後さまざまな作品に模倣されている事でも有名で、いまさらここで語るまでもない話ではある。交換条件が個人情報ってあたりも含め、探し始めるとキリがない。はぐらかしたり、核心に触れたり、この会話のシーンだけでもこの映画を見る価値あり。思うに「狂った天才」と書いたが、天才というのは平均的にあんな感じじゃないのかな。たまたま専攻する分野があれだっただけで。

本作はサスペンス物でありながら、ミステリ作品としても楽しむことが出来る。古畑シリーズ同様、犯人の顔が最初からわかっているタイプのミステリだ。追うもの、追われるもの同士の知略戦の部分も非常に面白い。ちなみに知略戦中の後半のレクターのある行動が、別の映画のあるシーンに酷似していてニヤリとした。とにかく、もの凄く面白かった。久しぶりの大傑作。95点。なぜ100点じゃないかって?それは、ジョディ・フォスターが老けてて、とてもじゃないけど大学生には見えないから(笑)。

 

ところでこの「羊たちの沈黙」、原題は「The Silence of the Lambs」である。Sheepsではない。Lambsってのはいわゆるラムのことで、Sheepと異なり食肉対象としての子羊を指す。これはもちろんスターリングのあのエピソードを受けてのことだが、レクター博士の性癖とのダブルミーニングでもある。つまり、さりげなく、「僕がやっていることのどこが異常なのかな?」という問いかけになっているわけだ。

 

鳥の血に悲しめど、魚の血に悲しまず。声あるものは幸い也。

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