2001年宇宙の旅監督:スタンリー・キューブリック/ 原作:/ 78点
■IBMとHALは関係ないらしいよ
もはや古典であり名作中の名作。先に小説の方を原文で読んだので、内容のあらましについてはそちらの感想を読んで欲しい。実は小説版と映画版は若干解釈が違う。どのあたりが違うのかは各自で確かめて欲しい。(逃げた)
本作品の映像は40年以上も前の作品とは思えない驚異の美しさである。あの時代にこの映像を見せたら、実写だと誤解する人がいても不思議ではない。実際に「月に人類は降り立っていない・NASAの陰謀説」なんかはこの映画の影響で起きたものだったりする。凄いな、このセンスは。映像点は時代を鑑みれば100点。いや、たまに笑っちゃうようなシーンもあるけど(浮かぶ食事トレイの動きとか)。
冒頭のシーンを映像で初めて見て、よくもまぁ、このストーリーのSFの冒頭をこのシーンで始めたなと感心。というか、ストーリーラインが鮮烈すぎるよな、これ。かなりの忍耐を要する哲学的な作品で、小説版を読んでいない人ではなかなか耐えられないのではないだろうか。映像だけで意味のわかる人は1%もいないと思う。そもそも原作を読んだからといって完全に理解する事は難しいし。 そのうえ、小説ですら猛烈に難解なのに、映画版はもっと説明不足。わかりにくすぎるので、万人にお勧めできるものではないし、映画という枠にはめて評価した際に名作と読んでいいのかどうかはわからない。ただ、間違いなく、映像作品として最高に「尖った」傑作のひとつだと思う。あれより物議をかもし出せる作品を作るのは難しい。
ただし、この日にこの作品を見たのは大失敗だった。何故って?
殆ど台詞がないのだ、この映画!
そんなわけでまったくリスニングのトレーニングにならず。HALの寂しげなあのボイスだけが心に残った。人間って地球から見ればHALみたいなものだ。生きるためだったら、・・・・・そんな行動だってとるだろう。
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