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わたし出すわ

監督:森田芳光/ 原作:/ 47点
わたし出すわ/小雪【SBZcou1208】

わたし出すわ/小雪【SBZcou1208】
価格:4,935円(税込、送料別)

■しみじみとした味は感じるが、期待しすぎて失敗した感

 

わたし出すわは、お金を払ってくれる女が主人公の物語である。と言っても馬鹿なヒモ女が主人公の物語などではない。全く異なる。主人公の女は美しくて、突出てして頭がよく、なぜだか多額の現金を保有している。彼女は久しぶりに田舎に帰ると、懐かしい旧友たちのもとを訪問し、それぞれの願いを叶えるべく、少なからぬお金を簡単に渡すのだった。

 

お金を渡された友人たちは、それで願いを叶えたり、寧ろ酷い目にあったりと様々な目に遭う。彼女が何故お金を配って歩いているのか、謎の病に倒れる母は一体何者なのか、彼女はどうしてそれほどの大金を持つこととなったのかなど、謎が多く、冒頭はミステリ的期待でわくわくしながら見ることができた。また、映像もしっとりしていて、邦画らしくて良かった。こういう色って好きなんだよね。

 

ところが、何故か悪人っぽい役割で仲村トオルが出てきたあたりから、物語は停滞する。演技や会話が安っぽいし、主役の女性の目的も謎の組織の目的もいまいちはっきりしないし、最終的に提示された布石の殆どは、美しい解決を見ない。あれれ、って感じだった。

 

とは言うものの、ラスト付近に小池栄子が提供してくれる驚きは、なかなか素敵なタイプの驚きで、遊んだ感じの心がホンワカさせられた。小池栄子が演技が上手いってのは噂には聞いてたが、確かに良いな。

 

以下、結末に触れます

 

ってなわけで、映像も脚本もきらいじゃないんだけど、前半の期待感が高すぎて肩透かしを喰らった感。おしい。