LAST7監督:イムラーン・ナクヴィ/ 原作:/ 49点
■「意外な結末ではない」という意外さ
男は目を覚ますと、自分が誰もいないロンドンの道路の上に横たわっていたことに気づいた。時折、細切れになった記憶のカケラがフラッシュバックのように到来するものの、記憶が殆ど残っておらず、自分の名前すら思い出すことができない。一体彼の身に何が起きたのか。 奇異な状況はどんどん明らかにされる。先ほど「誰もいない」と語ったが、それは彼の倒れていた道路の周りには、という意味ではない。ロンドン中見渡す限りの世界のどこにも、動きを見せる生命体は存在しておらず、そこには「I am Legend」のような、ただひたすらに静かな世界が横たわるのみだったのだ。 しかし彼はさまよっているうちに、同じように記憶の混濁と闘いながら、世界がどうなってしまったのかを探っている3人組と出会う。最終的にそのメンバは7名となり、Last Servenの物語が始まるのだった。
僕はこの作品がどんな物語なのかという前知識がほとんどゼロの状態で見たのだが、冒頭の映像の雰囲気は抜群に良かった。「世界で最後の一人」とかそういうPVだけを流しておいて、実は単なるホラー映画だったという「I am Legend」には正直肩透かしを食らった気分だったので(結構面白かったし、原作はかなり面白かったけど)、本作品冒頭の異常なに静けさには「そうそう、そういう映像が見たかったんだよ」という興奮すら覚えたぐらいだ。 しかも陸軍による謎の「作戦」シーンなどの記憶がフラッシュバックされるせいで、「これは、複雑な人間関係がどんどん明らかにされるなかなかのサイコスリラーになるぞ」と大いに期待した。
しかし、この物語はとんでもない「意外さ」を秘めた作品だったのだ。それは「意外な結末を迎えるように見せておいて、全然意外じゃない」という意外さである。
以下、完全なネタバレ
とまぁ、ネタバレ内のような理由により、ちょっと納得行かず。冷静に考えると、各メンバがどういう関係のある人達なのかという部分の種明かしは血行面白かったので、そのメンバの一人のセリフなどを変更し、視聴者の予想を巧く誘導するよう前半戦を組み替えたらもっといい作品になったのではないだろうか。映像の雰囲気は悪くないので非常に惜しい作品だと思う。 Copyright barista 2010 - All rights reserved. |