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ズッコケ中年三人組

作者:那須正幹/ 原作:/ 51点
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■10歳で活躍した子供たちの40歳

 

子供時代というものは、ほんのちょっとした事でいじめられちゃったりする事も多い代わりに、ちょっとした事でヒーローになることも多い。「自分が一番輝いていたのは小学生の頃だった」と語る大人は少なくないだろう。本作品の主人公は、間違いなく輝いた小学生時代を送ってきた三人である。50冊ものシリーズ小説の主役を張るぐらいに。

 

本作品は那須正幹の名作児童文学「ズッコケ三人組」シリーズの続編に当たる作品である。ズッコケ三人組と言えば「やんちゃな少年ハチベイ」「理屈っぽくて読書好きなハカセ」「大食漢で穏やかなモーちゃん」の3名が活躍する作品で、僕も子供の頃に何冊か読んだことがある。彼らは子供ならではの天才性で様々な事件を解決したり、あるいは事件を起こしたりする。小学校低学年の僕にとって、彼らはまさに憧れの先輩であった。

 

そんな彼らにも歳月は容赦なく通りすぎる。本作品の彼らは40歳になっていた。ハカセは博士になれず、モーちゃんは仕事探しに苦しみ、ハチベイは家庭を顧みずに水商売の女に入れ込む始末。そんな一見がっかりな彼らが目覚しい活躍をする…かと思いきや、まぁ程々に活躍します。良くも悪くも地に足が付いているんだ、これが。

小学校でヒーローだった連中も、大人になっちゃえばただの人で、でもただの人も子供時代の情熱を内にちょっぴりだけ秘めながら、普通に頑張ってるんだよね。大人になっちゃうとその頑張りがヒーローには見えないというだけで。

 

児童文学の続きってことで過激な描写は押さえ気味にはしているものの、子供に読ませるにはちょいとな話もちょいちょい。といいつつ、前作の50巻を読んでいた小学生が、そのまま続きとして読んだ場合、どんな感想なのかをちょっと聞いてみたい。意外と大人の大変さを理解してくれたりするのかも知れないな。逆に大人が読むにはちょっと刺激不足。ただ、旧作を子供時代に読んでいた自分としてはノスタルジィ一杯でついつい読んじゃうんだよね。

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