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言語姦覚

作者:筒井康隆/ 原作:/ 70点

■比較的「生」の筒井康隆に触れられる作品

 

若干低い点数をつけているけど、別に面白くないわけではない。単に本作品が小説じゃないので、小説の書評としては低めの点数をつけておこうという配慮である。多分筒井康隆ファン以外にはそれほどの求心力が無いものだと思われるので。あ、別途ノンフィクションのジャンルを作る気はあるのだけれど、これをノンフィクションに分類するかどうかって言われると、ちょっと悩むんだよね。エッセイってノンフィクションなのかなぁ...。

 

「言語姦覚」は様々な雑誌等に書いた筒井氏のエッセイを集めた作品集である。そういうものばかり集めたのか、筒井氏が書く以上はそういうジャンルのものが多かったのか、タイトルの通り言語や文学に関するエッセイばかりが集められており、おそらく大学で文学等を先行している人間からするとかなり興味深い作品だろう。自分は畑違いなので知らないけど。

ところで、冒頭に本作のために新たに書き起こされた「現代語」の分析である「現代の言語感覚」という作品が収録されている。かなり衝撃的内容なので、これから社会人になろうという人間は一度読んでおくと良い。墨は随分昔にこの作品を読んだ結果、こういうwebページになるべく「ゆるい」表現を使わなくなった。例えば「面白いといえ無くもない」とか「ちょっと残酷にすぎるとも考えられれる」とか。どうにも責任逃れをしている気がして嫌になってしまったのだ。上記のようなシチュエーションではなるべく「面白い」とか「残酷すぎる」とか自分の思いをハッキリ表現するようにしている。そうでない文書がを見つけたらぜひ指摘して欲しい。どんなに気をつけていても、ついつい書いてしまうのだ。

 

数ページのエッセイがひたすら続くので本サイトにしては珍しく全作への書評は書かないが、個人的に好みだったのは「超虚構宣言」や「しあわせ座長」のあたり。あと大切なのは、言論統制についてのあたりと、新聞社との対決。新聞社との対決については森博嗣もおんなじようなことヤッてたなぁ...。

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