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鴨川ホルモー

監督:本木克英/ 原作:万城目学/ 91点
【送料無料選択可!】鴨川ホルモー / 邦画

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価格:4,392円(税込、送料別)

■小説より先に映画をお薦め

 

「鴨川ホルモー」は「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」などで有名な、万城目学の同名の小説を映画化した作品である。氏の小説は今のところ「鹿男あをによし」しか読んだことがないのだが、彼の作風はどこまでが真面目なんだかよくわかないのに、ファンタジーっぽい描写が鼻につかないという、「冗談の多い村上春樹」みたいな、なかなか特徴のあるスタイルである。文章は簡易でありながら美しくて、とても読みやすい作家である。

 

本映画はそんな万城目イズムを見事に映像で再現した、邦画らしい良作である。主人公は二浪して京都大学に入学した青年、安倍。彼は当初こそ京都大学入学という美酒に酔いしれ、幸せを満喫していたものの、あっという間に大学生にありがちな日々の気だるさに飲み込まれ、典型的な5月病状態となっていた。そんな彼は帰国子女の友人である高村と共に祭りに行った帰りに、「青龍会」という名のサークルに勧誘される。「至って普通のサークルです」と勧誘され、高村と共に歓迎会に参加した安倍は早良京子という美女に一目惚れし、青龍会に参加することを決める。

 

さて、この「青龍会」ってのが何なのか、安倍の恋の行方は、ってのがこの映画のメインストーリーとなるわけだが、何はともあれここで、ストップしてレンタル屋に駆け込んでいただきたい。この先の展開は結構詳しいところまでPV等に登場していたみたいだけれど、自分はなんの前知識もない状態で見たおかげで2倍楽しかった。

実のところ、映画などを見る場合、前知識がないほうが楽しい事が多いので、自分は意図的にその手の前知識を遮断している。じゃぁなんでこんなサイトを作っているのかというと、半分は「既に読んだor見た人同士で語り合う楽しみ」のようなものを実現したいから。逆に前知識が欲しいタイプは続きをどうぞ。ミステリは結末から読まないと安心できないという人もいるぐらいで、そのへんは好き好きかと。

 

さて、安倍が所属することになった青龍会はなんだかよくわからないサークルだった。大事なイベントだからと呼び出され、4大学のメンバが正装の上でとある往来で出会い、さて何をするのかとおもいきや、ただ単に10名ずつ揃っているぞと宣言して終わったりする。結局何のサークルなのか、説明を求める新入生たちに先輩が説明した内容はなんと、「鬼語を使って鬼同士を戦わせる」という驚きの内容だった。

 

この先の展開がもう、ひたすら馬鹿っぽくて良い。鬼語はゲロだの何だのとおおよそ女子が口にするようなセリフではないような擬音ばかりだし、それにあわせるポーズは悪ふざけとしか思えないようなものばかり。それらを必死で練習する美男美女が素晴らしい。そんなとても馬鹿馬鹿しいシチュエーションの中で恋愛や友情なんかが渾然一体となって描かれ、気が付けば相当馬鹿馬鹿しいはずの戦いに手に汗握るハメになっていて、あぁ、やられたなと思った。

ところで、主人公はお世辞にも美男とは言いがたいのだが、彼はあんまり真面目にポーズを取らない。この映画では美男美女ほど真面目に練習し、真面目に変なポーズをする設定であり、そのへんわかってる監督だなぁと思おう。なんせ本作のヒロイン二人といえば、今をときめくハリウッド女優「栗山千明」とクールビューティー「芦名星」である。特に栗山千明にいたっては、服装や髪型がもう神がかり的変っぷりで、元々ファンだったがさらに女優としての評価が上がってしまった。

 

このレビューを読んで「何だかわからないけど、ちょっと興味あるかも」と思ったあなたは今すぐビデオ屋へ「アガベー」。「くだらない映画を」なんてホザく、わかったつもりのお利口さんなんざ「ゲロンチョリー」だ。