ゾンビランド監督:ルーベン・フライシャー/ 原作:/ 94点
■笑って泣ける青春ゾンビ映画
ゾンビ映画と言えば、もはや散々やりつくされ、何をやってもマンネリ気味。ゲームの設定を生かしてある程度の斬新さを生み出した、バイオハザードが最後の砦で、あとは衰退していく一方か...と心配されていたジャンルである。しかしここ最近、2つの希望の星が登場した。1つは某漫画作品。もう一つが他でもない本作品である。本作品は、「ゾンビウィルスが蔓延し、ゾンビに噛まれるとゾンビになる」「残された人類はわずか....」という滅茶苦茶ありがちな設定を採用しつつ、全世界で1億ドル以上稼いだという、化け物(ゾンビと言う意味ではなく、凄いと言う意味で)映画である。
本作品のキャッチフレーズと言えば「ゾンビの世界で生き残るためのルール」である。このルールはPVで散々流されたので目にした方も多いのでは無いだろうか。上述の通り、ゾンビ映画は星の数ほど作られたため、熱心なゾンビ映画ファンなら、どんなシーンが「死亡フラグ」か良くご存知のことと思う。 例えば、バカップルが野外でいちゃつく。ゾンビなんて目の錯覚よと一人でシャワーを浴びる金髪女。俺が何とかすると単独武器を取りに行く勇敢な男。物音を不審に思い車から降りる。そういったシーンを見るだけで、「志村後ろ!!」という気分になる筈だ。 本作の主人公コロンバスはそういったルールを熟知している。車に乗る時には後部座席を確認。銃で撃ったゾンビは必ずとどめにもう一発。トイレは危険なので必ず安全確認。アクションの前にはしっかり準備運動などなど。そのおかげでひ弱なオタク青年であるにもかかわらず、彼は殆ど全滅状態に近いアメリカを生き抜く事が出来た。
とまぁ、ここまでを冒頭でバンと見せられて、「うんうん良くできてるよ」と笑ったものの、正直「ネタは出尽くしたな」と思った。この後いかに面白い「ゾンビ映画あるある」を見せられたところで、70点が75点になる事はあってもそれまでだなぁと思った。しかし、本作はそんな所ではちっとも留まらなかった。
以下、物語の核心に触れます。まだ見て無い人はボタンを押さないこと。
ってなわけで、多様な楽しみ方が出来る、非常に新しいスタイルのゾンビ映画。ホラー嫌いの貴方も、騙されたと思ってまずは30分我慢してみて欲しい。すぐに本作品が大好きになるから。
なお、本作の監督、ルーベン・フライシャーは、htmlのクリエイタなどをやっていたらしく、元々は映画とは無関係な人だったとか。突然撮った映画がこれだと言うのだから、異業種監督の新しい視点と言うのは馬鹿に出来ないものなのだなぁとおもう。 Copyright barista 2010 - All rights reserved. |