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魍魎の匣

監督:原田眞人/ 原作:京極夏彦/ 46点
魍魎の匣 スタンダード・エディション

魍魎の匣 スタンダード・エディション
価格:3,591円(税込、送料別)

■画竜点睛を欠く

 

魍魎の匣は京極夏彦による同名の小説作品を映画化したものである。キャストは非常に豪華であり、映像の大部分も美しく、演技も面白い。しかし、とても重要な3点が抑えられていないため、原作のような魅力を生み出すことができていない。

 

まず1点目。ストレスの蓄積と解消のギャップが足りなさ過ぎる。京極作品の魅力といえば、ミステリ的謎やオカルト的怖さを、分厚い小説の9割まで読者のストレスとしてずっと溜め込み、それを京極堂の長い長い解説によって一気に解消するところにある。謎は順に解き明かされ、オカルトは科学や心理学によって分類され、読者自身に憑いた物が全て振るい落とされるのだ。

しかし、本映画の場合、序盤から映像で種明かしを頻繁にやっているせいで、ストレスの貯金が足りない。長い映画を退屈させずに見せようという工夫だったのだろうが、「ちょっと事件」「ちょっと種明かし」の連続で紡がれる物語には抑揚が不足し、逆に眠い脚本となってしまったように思う。

 

次に2点目。加奈子役にカリスマ性が足りなさ過ぎる。本作品において、加奈子の美しさは重要な意味を持つ。しかし残念ながら(個人的好みの問題もあるだろうが)加奈子役の寺島咲では力不足。寧ろ頼子役の谷村美月の方が魅力的だったぐらい。

これは、「映画のヒロインは美人であれ」等という下卑た話ではない。本作品の場合、脚本の構造上、加奈子は美しくなければならないのだ。以下重要なネタバレ。

 

最後に3点目。この映画で最も重要なシーンの描写で「逃げた」点である。本作品がコアな人気を誇る理由は、その「ゴチックな倒錯的美意識」の圧倒的さによるものである。以下、物語全体の核心に触れるネタバレ。

 

とまぁ、上記3点により、ちょっと残念な評価となってしまった。他の配役も演技もそう悪くないのに。実に惜しい。ああと、研究所を登る際の無駄なアクションシーンは蛇足。この映画にアクションを期待する視聴者がいるのか?と思う。

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