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パニッシャー
 パニッシャー(BD) ◆20%OFF！ |
■登場キャラクタの頭が悪すぎる
パニッシャーは同名のアメコミ作品を原作とした2004年の映画である。が、全くそんな出自は気にする必要がない。特にアメコミが原作であることが生かされるような設定はなく、また、主人公もマーヴル作品にありがちな超能力などを一切持っていないただの（異常に体が丈夫で運動神経の良い）人間だからだ。
作品序盤、FBI所属のの主人公は犯人逮捕の過程でマフィアのボスの息子を死なせてしまう。で、それを恨んだボスは主人公の抹殺を命じる。と、その台詞に次いでマフィアの嫁が「家族も皆殺しに」と付け加えたせいで、主人公の家族は目の前で皆殺しになってしまう。何とか生き残った主人公が今度はマフィアの家族を皆殺しに、というのが本映画の全てである。
本作品の内容を簡単に説明すれば、「法で裁けなければ実力行使」である。とはいうものの、アメコミのヒーローは基本的に同じ目的で戦っているのだが、彼の場合、自分の家族へ仕打ちに対する恨みで戦っているうえに、戦い方が普通に銃やナイフかつ、仮装もなしってあたりが、共感を呼ぶような、呼ばないような。リアルすぎて気分が悪いような。家族の死への恨みで戦っている時点で、やっぱりただの復讐のような気がしてしまうのだ。
本作の魅力はリアル志向であるところや、「罪人への司法の無力さ」にイライラしている視聴者が求める、犯人への無情が産み出す爽快感の筈である。しかし、そういう本来打ち出すべき魅力を、登場人物たちの馬鹿っぷりがスポイルしているように思えてならない。
ボスは主人公に良いようにやられるだけで、なんら怖さを出すシーンがない。いや、それはそれで構わないのが、それならば主人公に超絶的な戦略性による無敵性を備えてしまうべきなのだ。それを雑魚に中途半端に苦戦させるくせに、ボスには苦戦をしないという、なんともいえないバランスを選んだせいで、どうにも終盤の爽快感がいまひとつ。
また、終盤の懲罰が、「相手の残虐さが裏目に出る」というものを目指したのはわかるが、その手順が人情的にしんどい物であったがゆえに、自分なんかだと、寧ろマフィア側の視点になってしまい、爽快感より後味の悪さが残ってしまった。
暗い物語に笑いと感動をおり混ぜようと入れた３名もどうにも....。特に尋問されそうになって「何も言わない、知ってても教えない」はないだろう。普通「知らない」と答えるべきである。あれじゃあ「尋問してください」と懇願しているようなものである。あのピアス君はマゾか？？
ってなわけで、映像も物語もくらい本作品、正直あんまりお勧めとは言い難いなぁ。トラボルタが悪人顔ってのは賛同。なんにせよ、家族をもつ身になると、この手の設定の映画は見ているだけでつらい。老いたなぁ。
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