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トム・ヤム・クン!

監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ/ 原作:/ 64点

■究極のアクション

 

トム・ヤム・クン!はマッハ!以来続く、タイの超絶アクション映画の1つである。どんな映画かというと、主演のトニー・ジャーが凄く暴れまわる映画だ。この場合、ストーリーは特に重要ではない。え、駄目?ストーリーは大切だよという貴方のために、もうちょっとだけ解説すると、大切に育てた象がさらわれたぞぅ....げほげほ、さらわれたということで単身取り戻しに行く主人公。で、凄く暴れまわる映画だ。さっきとあまり変わっていないような気がするが、気にしてはいけない。で、悪い連中が根城にしているお店が、トム・ヤム・クンってタイ料理屋なので、映画のタイトルもトム・ヤム・クン!なのだ。

 

上述の通り、アクションが見所の映画なのだが、見所にも程があるというぐらいの超絶アクションである。問題はずっと見所過ぎて、そのうち凄さに気づかなくなってしまう点であろう。箸休めとして30分おきに他のアクション映画の映像をはさむと良い。あまりにぬるい動きに直ぐトム・ヤム・クン!に戻すこと請け合いである。

中でも破格の映像は、物語中盤のらせん階段を上りながらの4分間ワンカットのアクションシーン。どういうことかというと、1台のカメラで4分間、一度もカメラを止めることなく、ジャッキー・チェンの映画のような複雑なアクションをやり続けた映像なのだ。

冷静に考えると、これはとんでもない話である。仮に主演のトニーがノーミスだったとしても、蹴られた敵役が正しくガラスなどに飛び込めなかったり、カメラが追いつけなかったり、誰かがくしゃみをしたら、セットをつくり直して全部取り直しなのだ。そう考えると数十人のアクションが4分間ノーミスという状況は、もはや人間ピタゴラスイッチのようなもの。まさに奇跡の映像である。

 

とまぁ、物凄いアクションの見られる作品なので、脚本に文句をつける前に見たまえ。アクションシーンだけでも見る価値がある。...もっともアクションシーンを見る時間と、映画全部を見る時間に、殆ど差がないかもしれんが。