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バイオハザードIV アフターライフ

監督:ポール・W・S・アンダーソン/ 原作:/ 81点

■原点復帰??

 

註)2D鑑賞での感想です。また、前3作を見た前提での感想となるため、前3作の核心に触れる内容が前置きなく記載される可能性があります。ご注意ください。

 

 

3で終わる予定だったバイオハザードだが、前回のレビューで書いたとおり、以降も続編が作られることとなった。ファン待望の第4作目は時代の潮流に乗り、3D作品での登場である。残念ながら映画館で見ることができなかったため、2D鑑賞での感想である。奥様が先端恐怖症であり、とても一緒に見に行くわけには行かなかった映画だが、結論を先に言うと、映画館で見ても良かったなぁという出来だった。

 

3までの展開で、既に無敵のチート状態となった、主人公アリスに、アメリカ中に広がってしまったTウィルスとゾンビたち。これでは精神的怖さが演出できないため、治療するか、全面戦争にして映像で魅せるかの二択しかあるまい、というお話は冗談9割で前回書いた。アンダーソン監督に思いが届いたのか、精神的怖さの演出のための努力と、全面戦争ネタの両方が実現されていてちょっと笑った。

 

以下、ストーリー冒頭の流れに触れます。ネタバレに厳しい人は注意。

 

とまぁ、ネタバレ内のような処理により、しっかり緊張感が復活した3作目。単なるモブに成り下がったゾンビたちが、ちゃんと一体ずつ認識できるようになり、戦いのアクションが楽しく見られるようになった点が非常に素晴らしい。また、3D化の副産物もあった。どのオブジェクトを際立たせるかを注意深く意識した結果、画面内の魅せるべ物とそうでない物が明確に使い分けられ、非常に整理されて美しい映像となっているのだ。結果2Dで見ても、シリーズ中でアクションが1番美しく鑑賞できる。

 

その他、映像のそこかしこもサービス満点。まず、ゲーム自体へのオマージュが凄い。ゲームの5の主人公クリスの登場をはじめ、ゲームキャラクタ総出演である。ボスとの戦いはマトリックスのパロディにしか見えないなあと思っていたのだが、あとで確認したら、完全にゲーム中のシーンそのままの実写化だった。ゲームをやっていた人なら、手を叩いて喜んだに違いない、素晴らしい再現ぶりである。(つまり、ゲームがマトリックスのパロディをやっていたということか)

 

細かい見所としては、まずクリスの登場シーン。プリズンブレイクで大活躍のウェントワース・ミラーを、刑務所内のさらに檻の中に放り込んで「俺は脱出方法を知っている」って(笑)。ミラー本人も、脚本をみて冗談かと思ったそうな。

もうひとつの見所は冒頭の日本のシーン。雨にぬれる美しい女性は、なんと中島美嘉であった。個人的に中島美嘉を欠片ほども可愛いと思っていなかったのだが、子の映画中のメイクだと非常に美しく見えた。ひょっとして吸血鬼にありがちなあれか、と思ってしまうぐらい。あんたそのメイクで歌いなよ。

 

ってなわけで、1ほど脚本に深みはないけど、映像の素晴らしい良作。次回作につながるエンディングだったので5にも期待しよう。こう言うのを見ると、3Dテレビがほしくなるなぁ...。