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少年メリケンサック
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■好きです！宮��あおい！嘘...ではないかも
少年メリケンサックは、2009年のクドカン映画。キャッチフレーズは「好きです！パンク！嘘です！」。ピンクの背景にフェイスペインティングした宮崎あおいの写真というジャケットで、パンクに狂う宮崎あおいという映画を想像して借りると、肩透かしを食らうので注意である。しかし、結果としては宮��あおいの魅力は十二分に発揮されている為、問題にはならないだろう。
レコード会社に契約社員として勤務するかんな(宮��あおい)は、web上で人気を集めている過激なパンクバンドを見つけ、社長に期待の新人として紹介した。実のところ、かんなはパンクには全く興味が無い。これが彼女の最後の仕事で、駄目だったら今日を最後に契約終了、この後は送別会、という状況だったので、単なる自棄である。しかし、社長は昔パンクをやっていて、急遽彼らをデビューさせる事となってしまった。ところが、このムービーは25年前のもので、メンバはいまや50過ぎのオッサンで...というのが本作品の骨子である。
この少年メリケンサックのメンバたちが、そろいもそろってろくでもない奴ばかり。どヤンキーが50才になるとこんな感じなのかなぁと、ギャグのようでいながらリアルにも見える。25年の歳月はさすがに長く、みんな根拠の無い自信だけはあるものの、体力も無ければ技術も低下。メンバの1人にいたっては、まともに歩く事もできないという悲惨な状況である。
しかしながら、本作品を牽引するのは彼らの意味不明の「やってやるぜ」という思いだ。どんなに罵声を浴びても、演奏だけはやめたくない彼らの姿は、滑稽でありながら胸に詰まされるものがある。ロッカーや芸術家と同様、パンクも生き方なのだろうと思う。
主演の宮��あおいは馬鹿女っぷりが素敵。現実からちょっと目をそらしている、微妙な年齢の女性、ってのがうまく表現できていると思う。当時23歳だったにしては若干小じわが目立ち、童顔の割りに若く見えない不思議な顔なのだが、その分表情が大きく、表現力はピカイチだと思う。ダブルあおいと評される、あおい優とはまた全く別ジャンルの女優だ。
しかしこのところの宮��あおいフィーバーっぷりは凄い。この映画はテレビを録画して見たのだが、アフラック、ペンタックスと映画の合間のCMまで宮��あおい尽くしで、どこから映画でどこからCMなのか混乱したぐらい。ぜひ永作博美のような息の長い女優になってもらいたいと思う。
ところで、本筋とはあまり関係ないが、小さな疑問がある。以下、ネタバレ。
とまぁ、ネタバレ内のような疑問は残ったものの、おおむね良作。結構長い作品だったにもかかわらず、飽きずに楽しく見る事ができた。こういうコメディタッチの邦画にアレルギーが無ければお勧めです。宮��あおいのファンにもお勧め。馬鹿女演技が嵌りすぎてたまらんです。
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