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宇宙戦争

監督:スティーヴン・スピルバーグ/ 原作:H・G・ウェルズ/ 28点
宇宙戦争 【DVD】

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価格:1,351円(税込、送料別)

■パニック映画?ホラー映画??

 

宇宙戦争はH・G・ウェルズによる同名の超有名作品を原作とした映画である。映像は凄いし、原作にも忠実なのだが、結論から言えばかなり物足りない印象。

 

H・G・ウェルズの「宇宙戦争」は、宇宙物SFの原点ともいえる作品である。ファンタジーにおける「指輪物語」と同じ立場だ。知性が発達しているから頭が大きく、重力が小さいから体は細くという、いわゆるタコ型火星人を考案し、初めて登場させたのも本作品である。

そんな超名作を扱ったがゆえに、スピルバーグ監督の原作へのリスペクトが過ぎたのか、本映画はあまりにも原作に忠実である。無論、原作で馬車や大砲で戦っていたシーンが、車や軍隊に置き換えられていたり、タコ型宇宙人がやや未来的デザインになっていたりと細かい改変はあるのだが、大勢は殆ど原作どおりであり、それが悪いほうに働いているように思う。

 

以下、壮大にネタバレするので注意

 

とまぁ、ネタバレ内に書いたような理由で本作の印象は「ゴジラ。ただし、倒すシーンなし」という感じ。SFを期待すると後悔する。

 

ただこの映画、映像以外にも救いはあって、子役のダコタ・ファニングの演技が異常にうまい。というか、怖い。一人「楳図かずお」の世界の住人の顔で叫びまくるのだ。見ているこっちがパニックになりそうだった。さっきまでパニック映画と書いたが、リアクションだけで言えばホラー映画だと思う。

金髪色白で彫りの深い顔は、ゴチック作品にぴったり。トムクルーズと競演するなら、インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイアのような作品が向いていたのではなかろうか。

そのかわり....めちゃくちゃうるさい。序盤からキーキー叫びまくりのうえに、トムクルーズの演じるのが馬鹿親であるがゆえに、家族三人で常時叫びあい、娘はキーキー、群集はギャーギャー。最初の10分でテレビのヴォリュームを半分まで下げた。間違いなく、過去に見た映画の中でもっともうるさい映画だ。子供のキーキー声が嫌いな人は無音字幕のみで見る事をお勧めする。