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ティム・バートンのコープスブライド

監督:ティム・バートン/ 原作:/ 62点

■ダーリンの馬鹿〜〜!

 

本作はティム・バートンお得意のゴチックなキャラによるアニメ映画。映像は綺麗だけどストーリーは単純。見た人には分かると思うけど、あれって「うる星やつら」だよね(笑)。ともかく、ストーリーに関してもティム・バートン特有の「救いのなさ」などがオミットされており、良くも悪くも子供向け。どちらかと言うとディズニー映画に近い印象。

子供も安心して見られるところは利点だけど、子供に見せるならディズニーの方が良いというジレンマに陥っている。人外に語らせると歯の浮く台詞やコンセプトが素直に吸収できる、という「ぼのぼの効果」には成功している。「死体嫁」が魅力的に描かれている点、それでいながら「生者嫁」も悪人にしなかった点は好評価。ロシアの民話が元ネタらしいが、その辺の詳細まで設定があるとは思えないので、脚本家が頑張ったのだろう。

 

演出面ではミュージカル調のパートが若干鬱陶しい。これは個人的好みの問題。一方、ピアノで感情を語るシーンなどはお気に入り。中盤の連弾のシーンなどはジンと来る。無言の演技が好きなせいかも。

 

映像に関しては、絵に比べ3DCGで描かれたキャラクタはティム・バートン特有の気持ち悪さが不足。毒がなさ過ぎる......と思っていたのだが、調べてみて驚愕。この映画、ストップ・モーションで撮影していたらしい。

どういうことかと言うと、要は人形劇。1コマずつ人形を動かして撮影しているのだ。しかし、あまりに映像が凄すぎて、3DCGだと誤解していたというわけ。「最近のCGにしては表現が古いな」などと思っていたのだが、とんでもない誤解。あとで新たな気分で見直してみよう。それを知ってから評価すると、上述の連弾のシーンは凄まじいな....。

 

結論としては、ストーリー外の深さを求める人、爽快感を求める人には向かない。55点。しかし、手法自体に興味のある人、映像美に酔いしれたい人には70点ぐらいかな。個人的には映像をもっとゴチックに描いてくれた方が高評価だった。