サイト内検索:  

ハイキック・ガール!

監督:西 冬彦/ 原作:/ 10点
ハイキック・ガール!

ハイキック・ガール!

価格:3,591円(税込、送料別)

食材というのは料理人次第で美味しくも不味くもなる。安い食材を美味しく調理することは大変だが、高い食材を不味く調理することは容易い。調理方法、組み合わせ、味付け、何を失敗しても不味くなりうる。この映画は後者の代表のような作品だ。

本作品は「マッハ」など本気の格闘映画で有名なピンゲーオ監督作品にあこがれた西監督が、「日本にも本物の格闘映画を!」と一念発起し作成した作品である。ただ、素晴らしいのは意気込みだけだった。

 

まずオープニングから眠い。解像度の低い無意味な空撮映像にしょっぱなから萎える。映像が汚いのは低予算映画だから仕方がないにしても、構成が拙過ぎる。格闘を見せる映画なのだから、主人公・土屋圭の練習風景でよかったのではないか?

しかしまぁ、芸術映画ではないからと本編に期待したら、本編の編集も酷い。格闘シーンは全て通常速度で一度見せてからスローモーションでリピート、あるいはその逆で構成されている。何かの教則ビデオかと思った。スローモーションを全部削ったら1時間で終わるんじゃないのか?この映画。とにかく全体的に編集が酷すぎる。

師匠大活躍シーンも、ぶつ切りが酷い。一人倒すごとに映像を切りながら、直線的に歩いて1対1の繰り返し。ファンなんだったら、トムヤムクンのあの超絶ノンストップ格闘を見習ってほしかったものだ。

 

<以下全面的にネタバレ爆発なので、この映画を未見の方はここまで。あと、この映画を絶賛している人は読まないほうが良いかも。好みは人それぞれなので...。>

 

そんなわけで、このチャレンジャブルな映画。点数をつけるなら....10点。「チョコレートファイターとほぼ同時期の公開で不運だなぁ」などと思っていたが、そもそも勝負になってない。同じ格闘家を使ってピンゲーオ監督に取らせたら100倍良い映画を作るだろう。本作を映画として評価するわけにはいかないが、試みとしては素晴らしいので、ぜひ次回こそは頑張って欲しい。彼女の格闘の才能と、監督の情熱には期待しているので。