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キル・ビルvol.2

監督:クエンティン・タランティーノ/ 原作:/ 53点
キル・ビル Vol.2(DVD) ◆20%OFF!

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価格:1,440円(税込、送料別)

出だしからネタバレ。読みにくくて申し訳ない。

 

で、そういう構造になっているのは別段偶然でもなんでもなくて、タランティーノ監督が、映画監督中でも有名なオタク監督で、しかも日本の作品にやたら詳しいのが原因である。なので、前作・本作とも、「わかっててやってる日本じゃない日本文化」のような舞台で、ちゃんと古い懐かしい仁侠映画的な設定や場面、音楽や撮影方法が盛り込まれていたりする。前作で一番影響を受けているのは「女囚さそり」かな。今回はカンフーか?

で、前作はそれが大成功。オタク心をくすぐるような構成だけでなく、一般人にも楽しい派手な殺陣や俳優陣の採用でかなり面白い作品だった。友達に譲っちゃったけど、1度はDVDで買ったぐらいには面白かった。しかし、本作はというと、ちょっと一般人にはオススメできないだろう。

 

映像は白黒などを効果的に用いていて、「絵」自体を鑑賞する習慣のある人、つまり作品を映画としてみるのではなく、監督の作為ある作品としてメタに鑑賞するオタクには非常に楽しい。しかし、古い日本映画などの背景をしらない視聴者には、何がやりたいのか意図が理解できないだろう。楽屋オチの多いお笑い番組のような映画になってしまっているのだ。

ストーリー構成も地味でアクションも少ない。ビルとの戦いはあっけなさ過ぎるし、後味も悪い。その後味の悪さも含めて古い日本映画的なのだが、ハリウッド映画特有の怒涛のクライマックスが存在しないのだ。映画の宣伝用トレーラームービーを作った人はさぞかし苦労したことだろう。

 

そんなわけで、「なんだか面白い、真面目だけど馬鹿な映画」の天才、タランティーノ監督にしてはめずらしく、芸術映画路線で撮影された馬鹿映画(謎のジャンルだ)という本作品、マニア、タランティーノ監督好きには60〜70点。一般人には40点ぐらいかな。自分は結構面白かったけど、他人には勧めません。