2005年04月前半

2005/04/01

 ぼんやりと目に映ったのは見慣れない電灯。薄汚れた傘の下で、豆電球が微かな明暗を形作っていた。そこから鉛直に垂れ下がった紐は静かに振幅し、時間がその歩みを留めていない事を証明している。走り去る列車の騒音が窓の隙間を、激しい頭痛を証明し、昨夜の飲み過ぎを苛んだ。
 年齢の頃は二十代前半だろうか。脱色された頭髪は、真っ直ぐ進めない心の苛立ちのように縮れ、幾分痩せ過ぎた背中には、虫瘤の様に脊椎が点々と隆起している。細く青白い指は、そうしなければどこかに転がり落ちてしまうかの如く、シーツにしがみついている。それは目の前で僅かに肩を上下させていた。
 無意識下で火を点け、吐き出す煙が豆電球の光を揺らすのを胡乱な目で眺めた。ここは自分の所属する空間ではない。モノトーンの写真の中に佇んでいるような居心地の悪さを感じる。煙が自分も灰色に変えてくれればいい。そんな受動的な状況変化を待っていると、携帯電話が下品な音で覚醒を要求し、金曜日という現実を喉元に突きつけた。
 しかし、その僅かな現実との接点は、伸びた白い触手に絡め取られて消失した。その冷たく細い触手は、体温ではない温度で周囲を取り囲み、流れかけた時間を停滞させている。澱みに身を委ねる快楽への欲求に負け、冷え切った敷布団の上に横たわると、「それ」は掛布団として胸の上に覆い被さった。ゆっくりと目を閉じると僕の体はようやく彩度を手放し始めた。雀の声、風の音、楡の木漏れ日。それら凡そ健康的なものは、白い莫大小の壁に遮断されている。雑音という名の無音の寂しさの中、僕の腕は「それ」を抱きすくめた。意識は灰色になり、やがて白濁して消失した。

 水底から外界を見上げている。音はくぐもり、光は乱反射して、空も木々も散り散りに交じり合って見える。底はずいぶん深いようで、光が直接届くことはない。フィルタされた光景は風が吹くたび一層抽象的になったが、さほど違和感は感じない。所詮脳の分解能は目の分解能より低い。
「ゴッホだね」
誰かがそういった。
「スーラじゃないかな」
僕は答える。
「そうかな?」
「うん」
「確かに集約してない」
「分散しているから」
「具象性が希薄な方が落ち着くの?」
「うん」
「でも君は泳げないんじゃなかった?」
「そういえば」
僕は大きな泡を二つ三つ吐き出すと、印象派の胎内から追い出された。

 それはサイフォンの吐き出した泡だった。僕は舌を火傷しないよう、何度か息を吹き込んでからカップに口をつけた。珈琲の苦味は眉間に緊張感を、心に安息感をもたらす。たとえ見知らぬ部屋で、見知らぬ女性と差し向かって飲んでも、その効果は確かなようだ。少女の名前はメイと言った。片仮名でメイ。彼女の作った食事は料理と呼ぶには心許無い物だったが、珈琲の入れ方は拙くなかった。



 ....なんて、びっくりの一日ではありませんでした。一応エイプリルフールと言うことで。実際にそういうびっくりな一日をbaristaと過ごしたいという妙齢の女性は今すぐメールでご連絡を。バドのhomepageのエイプリルフール企画はなかなか好評だった様子。しかし期待されると大変なので(どうしたってワンパターン化するので)、来年はもうやめようと思う。結構気合がいるのだ。

 仕事でMicrosoftやIBMなどにがんがん電話を掛けまくった。有料サポートのMS社員の応対は好印象。人間いやな目に会うと印象に残って「○○は嫌い」と言いがちだが、実際にはその数百倍の「印象に残らない普通」を経験しているわけで、「最近の若者は」などという言葉や、警察や、医者や、先生等に対する偏見も、ほぼ全てそういった現象によって悪印象化していることが多い。だから、「〜っていいよね」より「〜って嫌い」と言う台詞の多い人があまり好きになれない。と書いた時点で同じ穴の狢である。

 非常に疲れきっていたが、帰宅後はPCに向かって久しぶりにテレビを見たり、漫画を読んだり、ゲームをしまくったり。寝たのは30:30ぐらいか(いい加減計算が面倒)。

 この日記も約二年(正確には19ヶ月程度)書きつづけてきたわけですが、このあたりでそろそろ幕を閉じなければいけないかなと思います。これまでいろんな事があり、いろんな事を書き綴ってきました。落ち込んだ時期には昔の日記を読み返して、自己の変遷を辿りなおしたりしました。夏休みの宿題ですら、毎日日記を書いたことの無かったbaristaにとって、この約二年間のweb日記は非常に貴重な経験となりました。これまで日記をご愛読頂いた方々、落ち込んでいる時に暖かい声をかけていただいた方々、本当に有難うございました。斯様に過分な扱いを受けて、baristaは幸せでした。


 ......って嘘はちょっとエイプリルフールとしては趣味が悪いでしょうか?まだまだ性懲りも無く続けていこうと思います。5年は続ける予定なので。申し訳ないですが、もう暫くお目を汚させていただきますm(_ _)m。



2005/04/02

 土曜日。15時ごろ起床。体調は最悪だが、気分は軽い。今日はサークルの花見。電車で現地へ。音楽を聴きながら、小説を読みながら歩いていったら「中国人の学生」だと言われた。桜は一つとして咲いていない。つまりはただの飲み会である。焼肉などをしながら、23時まで延々6時間ほど飲み食いをした。その後送ってもらえることになったのでカラオケへ。27時まで歌う。煙草の煙に撃沈。喉がおかしくなった。「15の夜」が大受けだったが、「車輪の歌」はまったく受けず。今一番好きな歌なので悔しい。みんなが知らない歌を歌って受けをとるのは難しい。過去に実現できたのは「東京ライフ」ぐらいだろうか。もう少しバンプを修行しなければ。

 帰宅後、強烈な頭痛と喉の痛みに耐えながら、入浴し、ビデオを見たりゲームをしたりして30時ごろ就寝。



2005/04/03

 9時半ごろ起床。喉が痛くて声が出ない。何とか着替えるもコンタクトレンズが入らずに四苦八苦。10時40分ごろ、ようやく体育館へ。やはり今日もひたすら叩いた。午後はコンビニに立ち寄ってから、また別の体育館へ。結局17時までバドをやった。その後、みんなで夕食に行き、20時からテニスに行くことに。しかし突然の雷雨でテニスは中止。失望して帰宅。

 猛烈な頭痛と熱っぽさに見舞われ、恐くなったので24時にはベッドへ。しかし昨日読んでいた本の続きが気になり、携帯電話のランプでこっそり読み始める。読み終わると既に26時。しかも、読み終わってから気づいたのだが、3部作の上巻だったらしい。後二冊でるまで余計続きが気になって困った顔で就寝。苦悶の表情。



2005/04/04

 月曜日。体調最悪睡魔強襲。自業自得。反省。客先管理体系内乱模様。作業方針変更。出張予定延期。相談所之返信有。米国支社迄相談中也。結局定時退社。体調不良故、羽毛球欠席。夕食後長時間録画映像閲覧(非妖艶録画)。多少鉄拳。羽毛球四月予定更新。丑三刻就寝。



2005/04/05

 火曜日。やはり声が出ない。客先の混乱のため、出張が延期になり、作業も何をして良いのやら状態。とりあえず、客先で見せるデモ用のコンテンツを作成。Kちゃんが確認電話をしてくれ、申し込み用紙が届かないため半分諦めていた料理学校に今日から行くことに。18:15から授業だが、遠距離なので19:15頃到着。頑張ってもあと10分早めるのが限界か。遅刻して入ると、生徒全員がこっちに注目。30名程度の教室に男は自分を入れて二人。まぁ、恥ずかしいのは初回だけだろう。同じバドサークルの女の子、KちゃんMさんと同じ班で三人で調理するので、特に気を使うことも無い。初日のメニューは「蒟蒻の土佐煮」「大根と人参の味噌汁」「桜餅」だった。結果はまずまず。美味しかったと言ってよいだろう。確実に「先生の説明」と言う一番重要なコンテンツを享受出来ないが、もともと「自宅にいると料理をする『機会』が無い」と言うのが通い始めた理由なので、気にせず通おうと思う。手際がほどほどに良くなったら、大失敗だった前回のパスタパーティにリベンジをかける予定。なんとなく人数が増えそうなので今度は下ごしらえぐらいは家でやって行くべきか。

 帰宅後、また録画したムービーなどを見ながら、ちょっとcriativeな物を作成。たいした物ではないが、個人的にはまぁまぁ満足の出来。これは明日にも完成しそうなので、完成次第uploadするつもりだ。結局テレビを見る習慣は無くなってしまった。お菓子も何を食べて良いのか良くわからない。ちょうど良いかもしれないが。26:30ごろ就寝。ムービーは、ちょっとあることに挑戦したいと思って見ている。しかしこれは実現不能かもしれない。いかに効率化を図ってダッシュするかだ。辻仁成の「太陽待ち」を読了。村上春樹を読んでいる気分だった。返す返すも恐ろしい才能。テレビへの露出が無ければ神様だったのにと思う。そこが彼の味だから良いけど。



2005/04/06

 水曜日。どちらかと言うと睡曜日。眠い。咽喉も痛い。会社の部屋が暑い。MCMSにフォーム認証しておいて、ADアカウントを割り当てて、インターネットからAD権限制御を教授できると言う機能を発見。嬉しい。客先からの情報は二転三転。どう転んでもうちの責任ではないのであまり気にしていないが。

 体調最悪だったのでバドはサボろうかと思ったが、さっさーがこられないと聞いたので気合で参加。いっしょにプレイするのが嫌だから...ってわけではなくて、人数が少ないのを懸念して+行きたくても行けない人がいるのに、行けるのに休むのはどうだろう、と思ったからである。調子は可も不可も無く。相変わらず沈まない。カット練習中だが、なかなか思うようなショットにならない。攻撃的なショットを増やしていきたい。「ゆっくりドロップ」は撤廃しなければ。プッシュをついネット際に返す癖も直さないと...。

 帰宅後、急速入浴してPCに向かうもちょっと体力的に無理有り。作成中の作品は80%ぐらいのところでストップ。大した物じゃないからさっさと明日には作り上げてしまいたい。その他ビデオを見たりなど。うっかりメインPCでウィルス実行しちゃったかも。手遅れかもしれないけど、アンチ買ってくるかなぁ。手でレジストリ探すのがたるい...。咳が止まらなくなったのでベッドへ。携帯電話で遊んでしまい、就寝は26時ぐらいか。

 そういや今日立ち読みしたサンデーにKATSUが無かった気がする。読んでないうちに最終回になったのかも。ショック。TOM氏は来週JCP-SP、再来週にJCP-WPを受けるのだとか。どんどん置いていかれるなぁ...。



2005/04/07

 木曜日。体調は転がり落ちていくような状態。声が出なかったり咳が止まらなかったり。こんなタイミングで絶世の美女にカラオケに誘われたらどうするんだ!(無いのでどうでも良い)。仕事は、眠い。地味に調査など。大体やりたい事は網羅できてきたか。後は鍵となる部分に対する返答がMS(モビルスーツではない)から届けばいよいだけ。定時退社。体調不良のためバドは休んで、アンチを買いに行った。マクアフィの5,000ぐらいのヤツ。こないだアップスキャンコンバータを購入したときのポイントで約半額に。帰宅後インストールしたら、やはり感染していた。無事検疫。向こう一年は安泰か。

 例の作品は一応完成。しかし重い。Pen3 700MHzのノートで動かすとCPUが常時100%。Pen4 2GHzのノートだと50%ぐらいだったので推奨は1GHz以上か。多少気に入らない部分があって、直すべきかどうか、思案している。直すとさらに重くなりそうだしなぁ。ウィルスチェック中に鉄拳をプレイ。エクストラコスチューム3着目をゲット。段位も随分昇格したが、コンピュータの相手ばかりなので、ゲームセンタに行ったら瞬殺されるだろう。



2005/04/08

 金曜日。着替えを持って出勤。定時退社して特急でS駅へ。さっさーに拾ってもらいテニスへ。体調最悪。頭が痛く、寒気がする。冷や汗が止まらない。しかしノック打ち主体の練習はいい練習になった。その後サイゴンカフェで夕食。初サイゴン。噂のアオザイに大喜び.....でなくて、生春巻きに大喜び。23時ごろには帰宅。いろいろあって28時ごろ就寝。




2005/04/09

 土曜日。さっさーの「着いたよ」電話で目を覚ます。携帯のスケジューラのアラーム機能を使ったら、目覚まし機能と違い、スヌースが無い上に、リセットまでメール着信音が鳴らないらしい。電話を切った後でスケジューラを解除したら、メールの着信音がなった...。10分で仕度してパスタ屋へ。半額祭なので行ったのだが、なんと急遽貸切とか。仕方なく別の店へ。おいしい店だったが、ちょっと残念。体育館が一般公開だったのでそのままバドへ。道具を持っていなかったので、裸足でプレイ。最近では裸足プレイに慣れて、何の違和感も感じない。ラケットはdefensiveを借りた。なかなか快調。買い換え欲がムラムラ。しかしCB30が二本とも存命だしなぁ...。

 究極の空腹状態で帰宅。夕食を食べて仮眠してテニスに向かう。と想定していたのだが、結局25時まで寝る羽目に。31時ごろまでいろいろと作業して再び就寝。



2005/04/10

 日曜日。10時頃起床。カメラなどを持って電車で花見へ。目的地がわかるか不安だったが、駅を降りたら既に見知った顔が何人も。ついてすぐ、でかいゴムボールでバレーやって、火をおこして、焼いて食べて飲んで飲んで、バドやって飲んで食べて飲んで、写真撮って飲んでバドやって飲んでと5時間?戦い抜いた。途中小雨が降ったものの何とか持ちこたえて良かった。三十路にもなって牛タンゲームなどに巻き込まれ、グロッキーになるまで飲んだ。その後つぶれた子を背負って運んだりするも、男の子なのでロマンスは生まれず。生まれても困るが。へろへろ状態でうどんを食べに行き(まだ食うのか)、カラオケへ。2時間歌って駅に送ってもらったら23時だった。という事は逆算すると、花見は5時間では終わってなかったのかもしれない。時計を見ていなかったので不明。カラオケはとても意外なメンバで行った。酔った勢いでガンガン歌ったが、風邪で咽喉が枯れて、途中声が出なくなったり。気管支が悪い家系なのにこんなことをやってるとそのうち倒れるなぁと反省。帰宅後は急いで入浴。珍しくすぐに就寝。

[今日の写真]
桜1
桜2
桜3
桜4



2005/04/11

 月曜日。漸くMSからの返答あり。端的に述べると「仕様上できません」という返答。サポが悪いわけではなく、もともとMSIBを使ったら?と提案したMS社員の見通し不足。また回り道を掘り進む事になるだろう。

 SONYの二足歩行ロボットQRIOが試行錯誤による学習を始めた。音が鳴る、などの「結果」を「+評価」と定義することで、無作為な動作の中から、+評価となる動きを徐々に学習するようになったのだ。MITが開発したロボット「トドラー」がそれまでの筋力に頼った歩行ではなく、重力に頼った歩行を実現した事とあわせ、ロボット技術に関してbaristaが構想していた二つの「革命」は既に実現されたことになる。詳細は長くなるので割愛。リクエストでもあれば追記するが。
 ともかく、ロボットにとっての「価値基準」の確立は動物に近づく大きな一歩である。もっともQRIO開発陣の一人の「人間に近づく必要は無い。別のものとして優れていれば良い」という見方は正しい。それにした所で、独自の価値基準による自発行動には必ず欠点が発生する。ロボット三原則の適用など、哲学的に不可能だからだ。baristaの存命中にこの問題に直面する時代は到来するだろうか?元SF好きとしては興味深い。



2005/04/12

 火曜日。雨。昨日のMSのメールに対して確認メールを返信。まぁどのみち多くを作り込む羽目になるのは変わらない。早く実装に入って欲しい物だ。正直暇で眠い。効きすぎた暖房も手伝って、春眠なんとやらという状態。

 近ごろ角の丸いテーブルの作り方に対して口角泡を飛ばす議論がなされているようだ(例えば、ここ)。本来htmlタグで作成するテーブルの角を丸くする事はできない。しかしデザイナの意向に合わせ、これまでに様々な対応策が捻出されて来た。代表的な物が、3×3のテーブルを使った物で、四隅に丸い線を描画した画像を張り付ける事で対応を実現している。
 しかしこの方法は、特にcssの代頭以来、賛否両論である。大まかに説明すると『htmlタグでは文書構造のみを記述し、デザインに関する事は全てcssで実現すべき』と言う大原則に違反するからである。したがって、結論から言うとcss3で定義された新しいプロパティで実現するのが望ましい。…ただし、現在このプロパティをサポートしているブラウザは存在しない。
 件のnifty〜(以下、ニフ)は、角の丸いテーブルをcssとjsだけで実現しているとの事で話題性をもった。その実態は無意味なbタグやspanタグを自動生成する、という手法に依る物である。当然大原則には抵触する。結果、方々で大火事が起こっている。うちでも洒落でjsとcssで画像なしのゲームを公開したりしているが、それは所謂『アート』の部類となり、攻撃対象からは除外されている。しかし件のニフは方々で『便利だ』『クールだ』『まともだ』と表されたため、(特に最後の一つが)ストイックなwebプログラマ達の逆鱗に触れてしまった様である。怒っている面々の言い分は良く分かって、歴史的に『ストイックな、正しいプログラマ』が日陰の身になっていた時代もあり、同情を禁じ得ないが、じゃあ、どう実装するのか?の返事が『画像か拒否するか』なのもちょっと寂しい。前者はやはり大原則に違反するし、後者は相手が大きな会社だと、現実問題不可能なのだ。
 例えば、『設定で自由な色に変えられるページ内で角の丸いテーブルを使いたい』というリクエストを受けざるを得なくなった、そんな場合にはどう実現するのか?画像生成エンジンをキックするのか?フラッシュを、等という答えは聴きたくないのだ。VML等も同じである。
 じゃあ自分がどちらに味方するかと言えば、蝙蝠を決め込みたいわけで、特に何か言える程の知識も才覚もないのである。黙っている方が安全という計算もある。ただ『ニフ万歳』と叫ぶ素人に『ニフは最悪だ』と酷評するだけというのはどうかと思う。『文句があるなら代替案を』がbaristaのポリシだ。逆に『代替案を立てる能力がないなら反論するな』は明らかな間違い。適度に止揚して戴きたい。少なくとも、ニフを叩いている方々は能力の秀でた方々なのだから、手加減してやって欲しいと思う。まぁ何にせよ話題が話題だけにあまり角を立てないで戴きたいのである(そんなオチか…)。

 今日の日記は電車の中で携帯で書いている。この後は多分、適度に遊んで多少勉強して、それなりの時間に眠るだろう。今後日記のコンテントを増やし、枝葉を除外する傾向に傾ける予定だ。その方が時間がかかるので手を抜く日が増えるとは思うが。



2005/04/13 1300年遅れのコーディングスタイル

 水曜日。仕事は少し実装開始。定時退社して、色々悩んだが、Wのバドに行く事に。帰りにガストに寄って、24時ごろまで雑談。転職に気持ちが動く。結局就寝は26時過ぎ。最近睡眠不足に耐えられないようになった。いよいよ老化か?

 現在仕事でC#という言語を使っている。コーディング中驚いた事があったのでコメント。一般人に可読な記述をしたので、一緒に驚いて欲しい。
 日常baristaが使うJavaと言う言語で、例えば本の名前を扱うときはこのように定義する。
String name = "我輩は猫である";
 "String"ってのは文字列を表す記号だと思って欲しい。同様に本の名前を複数扱うときにはこのように扱う。
String[] names = new String[3];
names[0] = "我輩は猫である";
names[1] = "坊ちゃん";
names[2] = "三四郎";
 文中の[]は配列を表す記号だ。1行目で3個の配列を準備し、その後値を代入している。プログラム言語の多くは数字を1からではなく0から始める。これはさまざまな理由で利益があるからだが、本題から外れるのでここでは触れない。さて、件のC#で同じ事を書くと以下のようになる。
string[] names = new string[3];
names[0] = "我輩は猫である";
names[1] = "坊ちゃん";
names[2] = "三四郎";
見分けがつかない程似ているだろう。さらに一覧を画面に出力する際は以下のように記載する。
[java]
for (int i = 0; i < names.length; i++) {
	System.out.println(names[i]);
}

[C#]
for (int i = 0; i < names.length; i++) {
	Console.writeLine(names[i]);
}
 文中の"for"は英語の"〜まで"の意味である。繰り返し処理を行うための条件を記す際に用いる。"int"と言うのは整数を表す記号だ。したがって上記の表記は、整数を0からnamesという配列の長さまで増やす間、括弧内の処理を繰り返し行え、という命令になる。括弧内の処理はそれぞれnamesという配列のi番目を画面に出力しろ、という命令である。数学の得意な方はΣに置き換えると判り易いかも知れない。どっちにしても良く似た言語だとわかってもらえたと思う。
 さて、実際の仕事で上記のような固定のプログラムを書くことは少ない。実際には本の一覧はどこかのサーバのデータベースなどから取ってくるのである。従って、以下のような処理を書くことが多い。
String[] names = 図書館のデータベース.getBookList();
for (int i = 0; i < names.length; i++) {
	System.out.println(names[i]);
}
 "図書館のデータベース"はそういう名前の便利な箱だと思って欲しい。そこにgetBookList()という命令があって、呼び出すと名前の一覧を返すわけだ。結果、何冊分の名前が貰えるかを意識せずに、一覧を画面出力できる。もし、もらえた名前リストが0冊分でも問題は起きない。
String[] names = new string[0];
for (int i = 0; i < names.length; i++) {
	System.out.println(names[i]);
}
は0回の出力を行って正常終了するからだ。従ってjavaでプログラムを組む際、getBookList()は結果が0件でも長さ0の配列を返すよう実装するのが普通だ。ところが、最近MSのC#の製品(=かなり最新の製品)を扱っていて、getBookList()の結果が0件の場合に、長さ0の配列ではなく、null(初期化されていない、存在しない、などを表す記号だと思って欲しい)を返す実装に何度もぶつかったのである。nullに対してlengthなどを参照すると、プログラムはエラーとなって止まってしまう。従って、上記のコードは、
string[] names = 図書館のデータベース.getBookList();
if (names != null) {
	for (int i = 0; i < names.length; i++) {
		Console.WriteLine(names[i]);
	}
}
 このようにnamesがnullで無かったら、という条件文を追加しなければならなくなってしまうのだ。つまり0を数字と見なしていない事になる。これはあまりにも情けない仕様と言えるだろう。何度となくこの仕様のせいで、if文を追記させられる羽目になっている。数学史上最大の発見とも言える0を特別扱いするのは止めていただきたい。

 このパラは情報系の人のために。例えば、DB接続に失敗した場合などには、長さ0の配列ではなくnullを返すことで、柔軟な対応が出来るので、許容範囲の設計ではないか、との意見もあるかと思う。しかし、C#はExceptionを実装した言語なので、そういう異常系は例外として実装するのが自然だと思う。



2005/04/14 意識の並列化

 木曜日。睡眠不足で眠い。一応アクセスコントロール系の実装は実現できた。後は睡魔と闘った。今ひとつ自分が世の中の役に立っている気がしない。給料が安いのは不満だが、逆に給料泥棒のようにも感じる。と言う事はつりあっていると言う事か?

 定時退勤。A体育館でバド。一回休憩になったときに、さっさーとシングルス。死にそうに汗をかいたが、お陰でその後の試合はまぁまぁ好調に。一人女の子で異常に上手い子発見。というか前もいたけど、とにかくタッチが早い。ちゃんと新しいスタイルのバドができる子だと思った。

 最近中国でデモが頻発している。所謂「戦犯」に対する怒りが彼らを突き動かしているようだ。歴史が苦手なので、怒りの矛先を正確に評価することは難しいが、彼らの言い分にも納得させられる部分はある。しかしそれを現在の在中日系人にぶつけて何になるのか?ローマは酷かったとイタリア人に石を投げるような理不尽さを感じる。そこまで昔の話と一緒にされるのは心外だ、成る程その通りかも知れない。では何年経ったら戦時責任は時効になるのか。そこに見え隠れするのは、座標としての時間ではなく、「賠償を勝ち取れる余地があるかどうか」である。
 1対1の人間同士の観点では、デモ集団の感情は理解できない。サークル内にも中国人はいるが、お互いそんな確執に囚われた事は皆無だ(向こうはそう思っていないかもしれないが)。つまり我々は過去の遺恨を理由に現在の個に対して怒りを感じることは少ない。ところが「集団」と言う枠を得た瞬間に、「遺恨」というキーワードで人の意思は簡単に並列化されてしまう。怒りを持った個の集団がデモを起こしているのか、国家に煽動されたデモ行為が集団内に怒れる個を生み出しているのか。プラカードを持った集団を見るだけで、論旨の如何を問わず恐怖してしまうのだ。


2005/04/15 職業病

 金曜日。最近やった作業を取りまとめ、作業マニュアルのような物を作成。いつ自分がいなくなっても後を濁さないようにしておく事で、転職への意欲をかき立てようとしているのかもしれない。単なる現実逃避のネタが欲しくて作っただけかもしれないが。

 今日も定時退勤。名古屋をふらついてJちゃんのプレゼントを購入。ついでに小川洋子の小説を二冊購入。その後バドへ。と言っても40分程度、スーツでプレイしただけだが。異常にフェイントの上手い高校生に結構してやられた。学生時代の経験者のプレイは色々と参考になる。何よりプレイが新しいし。1月末の新年会で焼いたカップが届いた。ペアカップを作ったのに役に立たなくなったなんて話はこの際そっとしておくが良い。バドにはいなかったJちゃんだがその後ラーメン屋での夕食に登場。無事プレゼントを渡して電車で帰宅。

 社内にカップの自動販売機がある。baristaはカフェイン中毒なので珈琲を頻繁に買う。ところがこのボタンの設計が非常に気に入らない(以下[]で囲った表記はボタンを意味する)。例えば、90円のブレンド珈琲のところには、[クリーム入り]と[クリーム砂糖入り]がある。ブラックを飲むときにはどうするかと言うと、前もって[クリーム無し]を押してから[クリーム入り]を押すか、[クリーム無し]と[砂糖無し]を押してから[クリーム砂糖入り]を押す。90円のアメリカン珈琲も同じだ。しかし60円珈琲の方はと言うと、そもそも[ブラック][クリーム入り][クリーム砂糖入り]の3種のボタンが準備されている。操作感が統一されていないのだ。全部のボタンをブラックにしておいて、[クリーム追加]と[砂糖追加]ボタンを準備すれば、一番ボタンの数が少なくて済むし、操作感も統一されるのではないだろうか?.....などと珈琲の抽出中に考えてしまうのである。

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